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ゴルフ

小祝さくらが勝負どころで見せた“迷いなき姿勢”。その強さの秘密はどこにあるのか?

山西英希

2021.03.22

今年に入って3戦2勝と絶好調の小祝。賞金ランキングも首位に浮上した。(C)Getty Images

今年に入って3戦2勝と絶好調の小祝。賞金ランキングも首位に浮上した。(C)Getty Images

 国内女子ツアー『Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント』最終日、首位と3打差の4位タイでスタートした小祝さくらが、3バーディ・1ボギーの「70」で回り、通算10アンダーでフィニッシュ。2位以下に2打差をつけて、ツアー通算4勝目を飾った。

【PHOTO】今季3勝目を飾った小祝さくらの厳選ショット!

 昨年と今年が同一シーズンとはいえ、やはり年が変われば新たな気持ちになる。

 今年初戦の『ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント』を迎える前に、小祝は2つの目標を掲げた。1つが3勝以上の複数回優勝を飾ること、そしてもう1つが賞金女王になることだ。「あくまでも目標なので、達成できなければ死ぬとかじゃないですし、せっかくなら大きい方がいいと思って立てました」と独特の言い回しで解説したが、着実にその目標に向って邁進している。

 なんと今年に入って3戦2勝と絶好調なのだ。昨年の1勝と合わせるとシーズン3勝となり、笹生優花を抜いて賞金ランキング1位に躍り出た。思わず、小祝をアマチュア時代から指導している辻村明志コーチも目標設定を見直す必要性を感じたほどだ。
 
 ところが、当の小祝に浮足立つ様子は一切ない。「賞金ランキングに関してはまだ今年に入って3試合目なので特に意識はしていません。次戦からは申ジエさんも参加するでしょうし、ここからまた頑張っていきます」と、まさに勝って兜の緒を締めよだ。

 それにしても小祝の強さの秘密はどこにあるのだろうか。ドライバーからパットまで穴のない点や、出場17試合中8試合でトップテン入りという安定感は誰しもが認めるところだろう。しかし、技術面以上に、精神面での強さが際立つ。

 最終日は3日間で最も風が強く、どの選手もスコアメイクに苦しんでいた。同組の淺井咲希、山内日菜子も大きくスコアを落としていた一方、小祝は14番ホールまでパープレーを続ける。

「悪天候の日は長い戦いになるので楽しもうと思ってプレーしたんです。ミスしてもショックを受けずに、風が強いからだと考えるようにすることで、プレッシャーも感じなくなりますから」と、リラックスできたという。しかし、ここ一番の勝負どころでは、しっかりとスイッチを入れてくるのだ。この日はそれが15番ホールだった。
 
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