東京五輪を控えたバレーボール国際大会で“人種差別問題”が勃発し、物議を醸している。
【動画】波紋を呼んでいるセルビア選手の“つり目ジェスチャー”の映像
現在、イタリア・リミニで開催されている『ネイションズリーグ』の女子予選ラウンド。米放送局『FOX Sports』を始め、複数海外メディアが報道しているのは、タイ代表と対戦したセルビア代表の選手が試合中に見せた“あるジェスチャー”だ。
問題となったシーンは、現地時間6月1日に行なわれた試合の第2セット。タイ代表プルームジット・ティンカオのオーバーネットにより、セルビアが追加点を挙げたその直後、リベロのサニャ・ジュルジェヴィッチがチームメイトに向かって、指で両方の目尻を引き上げる様子がライブ中継の映像に映し出されたのだ。
この仕草は海外で“スラントアイ・ポーズ(つり目ポーズ)”と呼ばれ、アジア人を揶揄、軽視する差別的なジェスチャーとして認知されている。このことから、同選手の行為に対してインターネット上で批判が殺到した。
タイ代表のプルームジットは試合後、「(ジュルエビッチから)侮辱や差別の意図はなかった」と自身のSNSで報告。その後、セルビアバレーボール連盟はFacebook、ジュルエビッチはInstagram(現在アカウントは非公開)を通じて謝罪の意を示した。
一方、大会を主催する国際バレーボール連盟(FIVB)は「問題となっている行為が規律違反に該当するかは、試合映像を確認して調査中」との声明を発表。現時点で「対応は委員会の決定に従う」と言及するに留まっている。
しかしながら、多くのメディアはセルビア女子代表が4年前にも同様の行為を行なっていたことを指摘。2017年の欧州予選で18年世界選手権への出場を決めた同代表は、本戦開催国であった日本行きを祝い、選手全員が“スラントアイ・ポーズ”で試合後の記念写真に納まっていた。
これを公式サイトやSNS上にアップしたFIVBは、人種差別的行為にあたるとの指摘が集まると写真を差し替え、「文化的に無神経な写真であった」と謝罪。日本バレーボール協会(JVA)は、「直接的に関与した事案ではないため、コメントする立場にない」として、同代表とFIVBに対して抗議は行なわなかった。
度重なるセルビア女子代表の人種差別とも取れる行為は、バレーボール、スポーツ界の中だけでなく人権にかかわる問題として議論が巻き起こっており、同国バレーボール連盟とFIVBに対して適正な対応と厳格な処分を求める嘆願書の提出へ向け、署名活動にまで発展している。
19年の東京五輪女子大陸予選では、また別の対戦でも同様の事例が起きていた。ロシア代表を率いるイタリア出身のセルジョ・ブサート監督は、韓国代表を逆転で退けた際にコート上で“つり目ポーズ”をしてカメラに喜びをアピール。この行動に憤慨した韓国バレーボール連盟は、FIVBとロシアバレーボール連盟に対して抗議文を提出し、これを受けたFIVBも同監督に3試合出場停止の懲戒処分を下した。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】波紋を呼んでいるセルビア選手の“つり目ジェスチャー”の映像
現在、イタリア・リミニで開催されている『ネイションズリーグ』の女子予選ラウンド。米放送局『FOX Sports』を始め、複数海外メディアが報道しているのは、タイ代表と対戦したセルビア代表の選手が試合中に見せた“あるジェスチャー”だ。
問題となったシーンは、現地時間6月1日に行なわれた試合の第2セット。タイ代表プルームジット・ティンカオのオーバーネットにより、セルビアが追加点を挙げたその直後、リベロのサニャ・ジュルジェヴィッチがチームメイトに向かって、指で両方の目尻を引き上げる様子がライブ中継の映像に映し出されたのだ。
この仕草は海外で“スラントアイ・ポーズ(つり目ポーズ)”と呼ばれ、アジア人を揶揄、軽視する差別的なジェスチャーとして認知されている。このことから、同選手の行為に対してインターネット上で批判が殺到した。
タイ代表のプルームジットは試合後、「(ジュルエビッチから)侮辱や差別の意図はなかった」と自身のSNSで報告。その後、セルビアバレーボール連盟はFacebook、ジュルエビッチはInstagram(現在アカウントは非公開)を通じて謝罪の意を示した。
一方、大会を主催する国際バレーボール連盟(FIVB)は「問題となっている行為が規律違反に該当するかは、試合映像を確認して調査中」との声明を発表。現時点で「対応は委員会の決定に従う」と言及するに留まっている。
しかしながら、多くのメディアはセルビア女子代表が4年前にも同様の行為を行なっていたことを指摘。2017年の欧州予選で18年世界選手権への出場を決めた同代表は、本戦開催国であった日本行きを祝い、選手全員が“スラントアイ・ポーズ”で試合後の記念写真に納まっていた。
これを公式サイトやSNS上にアップしたFIVBは、人種差別的行為にあたるとの指摘が集まると写真を差し替え、「文化的に無神経な写真であった」と謝罪。日本バレーボール協会(JVA)は、「直接的に関与した事案ではないため、コメントする立場にない」として、同代表とFIVBに対して抗議は行なわなかった。
度重なるセルビア女子代表の人種差別とも取れる行為は、バレーボール、スポーツ界の中だけでなく人権にかかわる問題として議論が巻き起こっており、同国バレーボール連盟とFIVBに対して適正な対応と厳格な処分を求める嘆願書の提出へ向け、署名活動にまで発展している。
19年の東京五輪女子大陸予選では、また別の対戦でも同様の事例が起きていた。ロシア代表を率いるイタリア出身のセルジョ・ブサート監督は、韓国代表を逆転で退けた際にコート上で“つり目ポーズ”をしてカメラに喜びをアピール。この行動に憤慨した韓国バレーボール連盟は、FIVBとロシアバレーボール連盟に対して抗議文を提出し、これを受けたFIVBも同監督に3試合出場停止の懲戒処分を下した。
構成●THE DIGEST編集部