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「中国のふたりがアジアの主役だ」山縣亮太の日本新9秒95に中国メディアが対抗心!「追い風を利用したもの…」

THE DIGEST編集部

2021.06.08

リオ五輪では400メートルリレーで銀メダルを獲得した山縣亮太。(C)Getty Images

 6月6日、鳥取市で開催された陸上の『布勢スプリント』。男子100メートル決勝で、山縣亮太が9秒95(追い風2.0メートル)の日本新記録を樹立し優勝。2019年から腰、足首、膝に故障が相次ぎ、不本意な成績が続いたが、五輪イヤーの勝負のシーズンで完全復活を遂げた。

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 好スタートを切った山縣だが、前半は隣を走る多田修平にややリードを許す形でレースを展開。60メートル付近で多田を捉えると、大きなストライドで突き放し、そのままゴールへと駆け込んだ。山縣は、サニブラウン・アブデルハキームが持つ9秒97を0秒02縮め、アジア歴代2位の記録を叩き出したのだ。

 この快挙にも、9秒91のアジア記録保持者・蘇炳添を擁する中国は余裕を見せている。スポーツメディア『捜狐』はこれまでの歴代トップ10の成績を比較した上で、「日本選手の方が全体的に優れているが、多くの場合は追い風を利用したものだ」と伝えた。

 特に今回の記録は競技場の特性を利用したものだと言い、100メートルなどのスタート地点後方に設置されたシャッターの開閉で風を調節できる点を指摘。一方、4月に広東省で開催された競技会では、蘇炳添が向かい風0.9メートルの中で9秒98で走っている。
 

 また同メディアは、サニブラウンを除けば「日本は9秒台を4人揃えているが、キリュウ、ヤマガタ、コイケはたった一度の記録に過ぎない」と綴り、中国の9秒台スプリンター2人を引き合いに出した。

「アジア最強のスプリンター蘇炳添は、現在31歳でこれまで6回9秒台を出している。そのうち4回は海外の大会であり、1回はアジア競技会で優勝したタイムだ」「さらに謝震業(200メートルのアジア記録保持者)も9秒台を2回出している」

 風の条件と安定性の2点を踏まえ、「中国の蘇炳添と謝震業が、依然アジアスプリンターの主役だ」と強調した。

 本当に強いのは日本か中国か、東京五輪で雌雄を決することになるだろう。五輪の日本代表選考は、6月24日開幕の『日本選手権』だ。山縣は10秒05の参加標準記録を突破しているため、3位以内に入れば内定する。

構成●THE DIGEST編集部

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