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「4年間ぐらいずっと…」初優勝&五輪内定に“男泣き”の多田修平、9秒台の山縣や桐生に勝てた要因は?

THE DIGEST編集部

2021.06.26

激戦を制し、ガッツポーズをする多田。(C)Getty Images

 東京五輪代表選考会を兼ねた陸上の『日本選手権』の2日目が6月25日、大阪のヤンマースタジアム長居で行なわれた。男子100メートル決勝では、多田修平(住友電工)が10秒15(追い風0.2メートル)で念願の初優勝を飾り、五輪代表権を勝ち取った。

 9秒台の自己ベストをもつ山縣亮太(セイコー)、サニブラウン・アブデルハキーム(Tumbleweed TC)、桐生祥秀(日本生命)、小池祐貴(住友電工)の4人が勢揃いする中、多田が得意のロケットスタートを決めた。ぐんぐん加速すると、後半に入っても後続を寄せつけず、そのままトップを守りフィニッシュ。ゴール後、優勝を確信した多田は右手で大きくガッツポーズをつくり雄たけびを上げた。

 レース直後のフラッシュインタビューで「本当にここまで来るのは凄い長かったんですけど、たくさんの支えがあったからこそここまで来れた」と涙ながら語った多田は、その後のオンライン会見で、涙の理由を以下のように説明している。

「4年間ぐらいずっと苦しい思いをして、日本選手権もずっと連続で5位とかばっかで、やっと自分の納得のいくような復活が出来てきたので感極まった」
 
 前日25歳の誕生日を迎え、「最高の誕生日プレゼントにもなりましたし、地元大阪で優勝という形で、大阪の方たちに恩返しできたて良かった」と安堵の表情を見せた。

 記者にズバリ勝因を問われると、「今までの試合以上に集中していた」「布勢(スプリント)とか試合を重ねていくたびに、スタートから中盤が凄く良くなったので、自信をもって挑むことが出来た」と2つ挙げている。

 それでも「正直この決勝の走りだと、世界のトップ選手にはまだまだ勝てない」と冷静に分析し、「しっかり練習を積んで地力をアップさせて、五輪で初めてのファイナリストになりたい」と、さらなる高みを見据えた。

 東京五輪の同種目は、予選が7月31日で、翌日に準決勝・決勝が行なわれる。初の大舞台に挑む男は、どの様なレースを見せてくれるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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