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「もっとプッシュする必要がある」進化を見せた角田裕毅、チームのための「フェラーリとの対決」に意気込む

THE DIGEST編集部

2021.06.30

着実に経験を積み、安定感を増してきた角田。次戦のオーストリアGPでは、どこまで順位を上げるだろうか。(C)Getty Images

 F1第8戦のシュタイアーマルクGPで10位入賞を飾ったスクーデリア・アルファタウリの角田裕毅は現在、同じレッドブル・リンクで開催される次戦オーストリアGPに向けて準備を重ねている。

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 予選のアタック終了後にヴァルテリ・ボッタスへの進路妨害で3グリッド降格処分を科せられるというアクシデントはあったものの、ドライビングやレースにおいてはほとんどミスなく、ポイントをチームに持ち帰るという、レッドブル・グループのヘルムート・マルコ顧問との約束も果たしたルーキーは、今後に向けて課題を設定している(専門メディア『planetf1』より)。

「チームのコンストラクターズランキングのために、フェラーリと戦わなければなりません。そのためにも、もっとプッシュする必要があります。このコースでは、とりわけ予選で良いペースを保てているので、次はもっとうまくやりたいと思います」

 オーストリアでの最初のレースについては「全体的に良い一歩だったと思います」と振り返った角田は、具体的に向上したポイントとして「タイヤのマネジメント」を挙げ、「ポール・リカール(フランスGP)と比べても、良い進化だと思います」と語っているが、さらなる向上が必要であることも強調している。
 
「フランスではタイヤが完全にダメになりましたが、オーストリアでは最後までタイヤを管理でき、うまくいきました。その点は良かったですが、(ライバルである)フェラーリは本当に良いペースでした。彼らと比較するべきではないのかもしれませんが……」

 ここまでの通算獲得ポイントは9と、ピエール・ガスリーの37からは引き離されているが、チームが目標とするコンストラクターズランキングの5位を達成するためにも、ポイントへの執着をより強くした感のある角田は、改めて「良いペースを掴んだので、しっかり週末に向けて準備をし、全てをしっかりまとめてポイントを獲得したいです」と意気込みを口にした。

 「ミスをしないことが最大の目標」だったシュタイアーマルクGPでは、前述の通り、各セッションで好パフォーマンスを見せたものの、予選でのインラップでペナルティーを受けたことはかなり響いたようで、「本当に苦痛でした」と本音を吐露。「二度とやらないように努めます」と誓った。

 奇しくも、28日にチームの公式サイトで公開された動画で、角田は「ミス」について「僕は学びの段階にあり、ミスはドライビングを改善するためのヒントを与えてくれます。ミスを恐れません」と自身の考えを語っている。

 ここまで、ミスによるクラッシュで自身を追い込んでしまうこともあったが、先週末はマルコ顧問が言うところの"衝動"を抑えて落ち着いたドライビングを見せながらも、決して守りに入ることなく前の車にプレッシャーをかけ続けるなど、ここでも成長を感じさせた。これを今後のレースでも維持できるかにも、注目したい。

構成●THE DIGEST編集部

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