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モータースポーツ

「前と同じところを走ったつもりが…」“白線越え”ペナルティーに驚きの角田裕毅にFIA側が処分の正当性を主張!

THE DIGEST編集部

2021.07.08

ここまでトラックリミット、進路妨害、白線越えというレギュレーション違反を犯してしまっている角田。ここからは慎重な走りが求められるが……。(C)Getty Images

ここまでトラックリミット、進路妨害、白線越えというレギュレーション違反を犯してしまっている角田。ここからは慎重な走りが求められるが……。(C)Getty Images

 F1第9戦のオーストリア・グランプリ決勝で、スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅が2度もピット入口の白線を越えてしまったために、計10秒のタイムペナルティーを受けたことは、少なからぬ注目を集めた。
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 英衛星放送『Sky Sports』は、「ツノダは予選で7位という自己最高の結果を手にしたものの、決勝での2度の“不器用さ”によって全て台無しとなった。彼には、何よりもクリーンな週末が必要とされる」と同GPでの日本人ルーキーを評している。

 当の本人はこのペナルティーについて、「先週のレース(同じレッドブル・リンクで開催されたシュタイアーマルクGP)や今回のフリー走行(FP)と同じ場所を走ったつもりでいたのですが、いきなりペナルティーを科せられました。そこで何が起こったのかを見直す必要があります」と語り、2度繰り返した理由を「(最初のペナルティーが)チームから伝えられたのが2回目のピットに入る直前だったので、同じことをしてしまいました」と振り返っている。

 オーストリアGPはランド・ノリス、セルジオ・ペレス、シャルル・ルクレールらの接触など、多くのインシデントに対してペナルティーを下したことで、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は苦言を呈したが、FIAのレースディレクター(RD)を務めるマイケル・マシは、それらに対しての見解を示すとともに、角田のペナルティーにも言及した(F1公式サイトより)。

 マシRDによれば、FPで違反があった場合には警告が与えられるが、FPで角田が白線を越えるところは確認されなかったとのことで、「このレギュレーションは2年前から定められたものであり、先週改定されたわけではない」と強調。また、「チームにはドライバーに知らせる責任がある」ことも主張する。
 
「最初の白線越えに対してペナルティーが科せられた後、当然、チームからツノダに説明があったものと思っていたが、2回目のピットストップの際にも同じようなことが起こった。これに対しても、チームとドライバーは何らかの責任を負う必要あがる。それは先週と変わっていない」

 今GPでは角田だけでなく、ニコラス・ラティフィもピットの白線を越える違反を犯したが、こちらは警告でとどまっている。これについてマシRDは、「ターン9を越えてリアエンドが不安定になって状態でのものだったために警告とした。これに対し、ツノダは車の挙動を乱しておらず、これを警告で済ますのはフェアではないと判断した。実際、彼は先週のレースではこの違反を犯していない」と説明した。

 しかし、これについては専門メディア『GPFAN』は「ラティフィが挙動を乱したのは、オーバースピードでコーナーに入ったことが原因であり、それによって白線を越えたのであれば、彼も罰せられるべきだろう」と異論を唱えている。

 F1デビューを飾って以来、ここまでトラックリミット、進路妨害、白線越えというレギュレーション違反を犯して通算ペナルティーポイント(12か月間で12に達した場合は1戦出場停止)4を科せられている角田。今回の件に対しても、早めに知らせなかったチームの対応を批判する声も少なくないが、彼自身は「次回は同じことは避けたいと思います」と語っている。

構成●TEH DIGEST編集部

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