<東京オリンピック>ソフトボール1次リーグ:日本3×―2メキシコ(2021年7月22日/福島県営あづま
日本ソフトボール女子は7月22日、1次リーグのメキシコと対戦し、3対2で劇的なサヨナラ勝利を収めた。
エースが力投し、女房役が答え、そして新星が台頭したゲームとなった。
前日のオーストラリア戦を8対1でコールド勝ちした日本。2日連続の試合で相対するは、大会初出場ながら1次リーグでの壁と言われているメキシコだ。その相手に、日本は開幕戦に続いて、この日39歳の誕生日となる“レジェンド”上野由岐子をマウンドに送り出す。
21日の試合は序盤に制球を乱した上野だったが、この日はさすがの修正力を見せる。初回、1死から2番、3番を圧巻の速球で連続三振。チームに勢いをもたらすと投球だったが、メキシコの先発左腕・オトゥールの繰り出すチェンジアップに、前日に爆発した打線は凡打の山を築く。
そして2回、上野は先頭打者にフェンス直撃の二塁打を許すと、暴投の間に無死三塁と先制のピンチ。しかしここでギアを入れて無失点に抑えると、“ソフト界の大谷翔平”こと6番の藤田倭が2試合連続のホームランで日本に先制点をもたらした。
3回、上野は3つのアウトすべてを三振で奪うと、4回も三者連続三振。一方でオトゥールも、藤田の本塁打以降は日本打線を完璧に抑える。嫌な雰囲気が流れ始めた5回表、メキシコは7番のウルデスが上野の速球を完璧に捉えるソロアーチ。終盤に日本は同点に追いつかれてしまう。
気落ちしてもおかしくない中、この日39歳の誕生日を迎えた上野は最後の打者から10個目の三振を奪い、チームを鼓舞。これに応えたのは、再び先制弾の藤田だった。
先頭で迎えた天才打者がセンター前ヒットで出塁すると、代走の川畑瞳を送りバントで二塁へ進める。そして8番、上野の好投を引き出していた女房役のキャッチャー、我妻悠香がレフトへ勝ち越し二塁打を放ち、エースに最高の形で援護点をプレゼントした。
しかし、ドラマはこれで終わらなかった。球数も110球を超えた上野はさすがに疲労を隠せず、最終7回は先頭に四球を出すと、後続にヒットでつながれて無死一、三塁。そして同点弾を浴びたウルデスとの対戦。打った打球は犠牲フライに十分な打球だったが……ここでセンターがまさかの落球(記録はヒット)。これで同点となり、上野もマウンドを後にした。
一打勝ち越しのピンチでマウンドに上がったのは左腕の後藤希友。キャッチャーフライ、見逃し三振、空振り三振と完璧な火消しで、2対2の同点にとどめて見せたのだ。
しかし無死二塁から始まる延長タイブレーク。メキシコの送りバントに近い打球を処理できず、さらに連携プレーのミスもあって無死二三塁と、大ピンチを背負ってしまう。だが後藤は動じない。2者連続三振後、一つの四球を与えて満塁としたが、最後は完璧なコントロールでアウトローに沈めて三振。いつ決壊してもおかしくない状況を、文字通り“セーブ”したのだった。
そして7回裏、日本は進塁打で走者を三塁に進め、9番・渥美万奈のゴロゴーで三塁走者がホームへ生還。見事サヨナラで2連勝を飾ったのだ。
構成●THE DIGEST編集部
【関連フォト】上野が圧巻の力投!メキシコとの激闘を写真で振り返る
日本ソフトボール女子は7月22日、1次リーグのメキシコと対戦し、3対2で劇的なサヨナラ勝利を収めた。
エースが力投し、女房役が答え、そして新星が台頭したゲームとなった。
前日のオーストラリア戦を8対1でコールド勝ちした日本。2日連続の試合で相対するは、大会初出場ながら1次リーグでの壁と言われているメキシコだ。その相手に、日本は開幕戦に続いて、この日39歳の誕生日となる“レジェンド”上野由岐子をマウンドに送り出す。
21日の試合は序盤に制球を乱した上野だったが、この日はさすがの修正力を見せる。初回、1死から2番、3番を圧巻の速球で連続三振。チームに勢いをもたらすと投球だったが、メキシコの先発左腕・オトゥールの繰り出すチェンジアップに、前日に爆発した打線は凡打の山を築く。
そして2回、上野は先頭打者にフェンス直撃の二塁打を許すと、暴投の間に無死三塁と先制のピンチ。しかしここでギアを入れて無失点に抑えると、“ソフト界の大谷翔平”こと6番の藤田倭が2試合連続のホームランで日本に先制点をもたらした。
3回、上野は3つのアウトすべてを三振で奪うと、4回も三者連続三振。一方でオトゥールも、藤田の本塁打以降は日本打線を完璧に抑える。嫌な雰囲気が流れ始めた5回表、メキシコは7番のウルデスが上野の速球を完璧に捉えるソロアーチ。終盤に日本は同点に追いつかれてしまう。
気落ちしてもおかしくない中、この日39歳の誕生日を迎えた上野は最後の打者から10個目の三振を奪い、チームを鼓舞。これに応えたのは、再び先制弾の藤田だった。
先頭で迎えた天才打者がセンター前ヒットで出塁すると、代走の川畑瞳を送りバントで二塁へ進める。そして8番、上野の好投を引き出していた女房役のキャッチャー、我妻悠香がレフトへ勝ち越し二塁打を放ち、エースに最高の形で援護点をプレゼントした。
しかし、ドラマはこれで終わらなかった。球数も110球を超えた上野はさすがに疲労を隠せず、最終7回は先頭に四球を出すと、後続にヒットでつながれて無死一、三塁。そして同点弾を浴びたウルデスとの対戦。打った打球は犠牲フライに十分な打球だったが……ここでセンターがまさかの落球(記録はヒット)。これで同点となり、上野もマウンドを後にした。
一打勝ち越しのピンチでマウンドに上がったのは左腕の後藤希友。キャッチャーフライ、見逃し三振、空振り三振と完璧な火消しで、2対2の同点にとどめて見せたのだ。
しかし無死二塁から始まる延長タイブレーク。メキシコの送りバントに近い打球を処理できず、さらに連携プレーのミスもあって無死二三塁と、大ピンチを背負ってしまう。だが後藤は動じない。2者連続三振後、一つの四球を与えて満塁としたが、最後は完璧なコントロールでアウトローに沈めて三振。いつ決壊してもおかしくない状況を、文字通り“セーブ”したのだった。
そして7回裏、日本は進塁打で走者を三塁に進め、9番・渥美万奈のゴロゴーで三塁走者がホームへ生還。見事サヨナラで2連勝を飾ったのだ。
構成●THE DIGEST編集部
【関連フォト】上野が圧巻の力投!メキシコとの激闘を写真で振り返る
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