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「日本が望んだおとぎ話の結末は訪れなかった」“キング”内村航平の予選落ちに英国メディアも衝撃。敗因は怪我が影響とも

THE DIGEST編集部

2021.07.25

体操界の“キング”内村はまさかの落下で予選敗退。イギリスメディアも驚きを示した。(C)Getty Images

体操界の“キング”内村はまさかの落下で予選敗退。イギリスメディアも驚きを示した。(C)Getty Images

 日本を、世界を沸かせ、体操界の歴史を塗り替えてきた“レジェンド”が待ち望んでいた夢舞台は、悲劇という形で幕を閉じた。

 東京オリンピック2020は大会2日目、男子体操競技の予選が行なわれ、3大会連続の金メダルを目指していた内村航平が登場。今大会は種目別に絞って鉄棒に専念した絶対王者は、まさかの落下で13・866点とスコアを伸ばせず、日本勢で4位。種目別の決勝に進むためには、全体8番目以内、同一国の上位2人までに入らなければならなかったが、無念の結果に終わった。

 予兆は21日の公開練習でもあった。H難度「ブレトシュナイダー」、G難度「カッシーナ」、E難度「コールマン」ときて、その後の捻りで21日も落下。デジャブのように本番でも同じ捻りでバーをつかめず、文字通り天を仰ぐことになった。
 
 この衝撃は日本にとどまらず世界にも広がった。中でも、内村が2012年に最初の総合金メダルを獲得したロンドン五輪の開催地イギリスの放送局『BBC』は、落下の瞬間に「Oh....」と絶句。同局は内村の演技後に、「体操史上最強選手、コウヘイ・ウチムラが鉄棒で落下して決勝に進めなかった」と速報記事を出してその衝撃を届けた。

「メダル獲得7個を誇る男は、2016年のリオ五輪で男子体操史上44年ぶりとなる総合種目で2大会連続金メダルを獲得した。そして、日本でのゲームで引退する予定だった」と同記事。そして、「4年前に“キング・コウヘイ”が日本団体にゴールドメダルをもたらしたように、日本中が彼のキャリアにおとぎ話のような結末を望んでいた」。

「しかし、ウチムラの事前準備は理想とはほど遠かった」とした同メディアは、「先月に代表枠を獲得したものの、2019年に両肩を痛めて総合種目を戦えなくなるなど、常に故障があった」と、この日も怪我が影響したのではないかと締めくくっている。

 日本国民は“キング”が再び王座に君臨することを望んでいたはずだが、決勝を前にその物語は終わりを迎えることになった。ただ、落下してしまったとはいえ、内村の演技は高い技術と気品が織りなす素晴らしいものだった。その雄姿は、最後まで美しかったと、皆の心に刻まれているはずだ。

構成●THE DIGEST編集部

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