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「真の一流」“怪物”ドレッセル、リレー金メダルを代替選手に贈る男気に現地メディアも感動!「僕より彼がふさわしい」【東京五輪】

THE DIGEST編集部

2021.07.26

リレー連覇を果たしたアメリカ代表。表彰式でエースのドレッセル(右)が見せた男気あふれる行為に称賛の声が寄せられている。(C)Getty Images

リレー連覇を果たしたアメリカ代表。表彰式でエースのドレッセル(右)が見せた男気あふれる行為に称賛の声が寄せられている。(C)Getty Images

 実力も、そして人格も優れているからこそ、リスペクトされる。盛り上がりを見せている東京オリンピック2020で、そんなスターたる振る舞いを見せたのが、男子競泳アメリカ代表のケレイブ・ドレッセルだ。

 7月26日に行なわれた男子400mリレー決勝、優勝候補アメリカは、第1泳者に今大会で複数メダルが濃厚視されているドレッセルを立てた。100mバタフライの世界記録保持者にして、世界選手権通算13個目の金メダルを保持する天才スイマーは、前回のリオ五輪でもリレーで二冠を達成し、この種目の連覇にも注目が集まっていた。

 果たして、“水の怪物”マイケル・フェルプスの後継者と期待される男は、得意のスタートから一気に抜け出すと、世界記録まであとわずかに迫る47秒26の1位で次の泳者にたすきをつなぐ。アメリカはこの差をしっかり守り切り、2大会連続金メダルの快挙を成し遂げたのだった。

 東京オリンピック最初のスイムで披露した充実たるパフォーマンスも称賛されてしかるべきだが、彼がなぜナンバーワン・スイマーたるかを証明したシーンは表彰式の一幕で見られた。
 
 今大会“最初”の金メダルを手にしたドレッセルは、式が終わるや否やアメリカ応援団のスタンドへ駆け寄ると、そのメダルをある男性に手渡したのだった。彼の名はブルックス・カリー。前日に行なわれた400mリレー予選、ドレッセルの体力温存のために代替出場していたスイマーだ。

 ドレッセルは言う。「昨晩、ここでみんなが頑張っている中、僕は最も簡単な役目しかしていなかった。ただ、TVでみんなを応援するだけっていうね」。そしてこう続けた。「だから、僕よりもブルックスのほうが金メダルにふさわしいと思うんだ」。

 メダルは控えメンバー全員にも授与されるため、この表彰式の場でわざわざ贈る必要はなかった。しかし、天才スイマーはそれが分かっていてもなお、自分が得た名誉を支えてくれた感謝の想いをどうにかして表現したかったのだ。だからこそ、怪物が見せた“男気”には「真の一流」(『USA Swimming』)、「世界屈指のアスリートが見せた本物の振る舞い」(『NBC Sports』)と賛辞の声が続々と届いているというわけである。

 改めて、ドレッセルがリスペクトを集めるにふさわしい人物であると証明された瞬間だったと言えるだろう。

構成●THE DIGET編集部

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