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「“彼女が有利”と言うのは極めて難しい」五輪史上初となるトランスジェンダー選手についてIOCが言及【東京五輪】

THE DIGEST編集部

2021.07.30

性別適合手術を受ける2013年までは男子選手として活躍していたハバード。東京五輪には女子87キロ超級に出場予定だ。(C)Getty Images

性別適合手術を受ける2013年までは男子選手として活躍していたハバード。東京五輪には女子87キロ超級に出場予定だ。(C)Getty Images

 議論が続くトランスジェンダー選手の五輪出場について、医療部門責任者が口を開いた。

 7月29日、国際オリンピック委員会(IOC)のリチャード・バジェット医事部長は、五輪史上初のトランスジェンダー選手として、重量挙げ女子87キロ超級に出場するローレル・ハバード(ニュージーランド)の身体的優位性について、「“彼女が有利”とは一概に言えない」との見解を述べた。英紙『The Guardian』が伝えている。

 同選手をめぐる競技の公平性に対しては、開幕前から疑問の声が挙がっていた。バジェット氏もこの問題について「大きく、難しく、複雑だ」と認めつつも、ハバードの出場権を支持。「参加資格を得た彼女の勇気と粘り強さに敬意を払わなければならない」とコメントしている。
 
 さらにバジェット氏は「多くの要素を考慮しなければならないなか、『男性の思春期を経験したから彼女は有利だ』と言い切るのは極めて難しい」ともしている。現状のガイドラインでは、出場前の最低1年間、血清中の総テストステロン濃度を10nmol/L以下に抑えれば、女子カテゴリーに出場することが認められており、ハバードはこの条件を満たしているという。

 さまざまな意見が飛び交うなか、8月2日に本番を迎えるハバード。世界の注目が集まる中、2017年の世界選手権銀メダリスト(女子90キロ超級)は、どのようなパフォーマンスを見せるだろうか

構成●THE DIGEST編集部

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