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国立競技場で“五輪新“が続出したのはなぜ?英メディアがトラックの構造に注目「1~2%パフォーマンスを向上させる」【東京五輪】

THE DIGEST編集部

2021.08.08

今大会好記録が連発。その背景には競技場のタータンの構造があるようだ。写真:本永創太

 国立競技場で開催された、東京五輪の陸上競技で五輪記録や世界記録が相次いだ。

 今大会前に新しく建て替えた同競技場。男子400メートルハードルや女子三段跳びなど実に11種目で五輪記録が樹立され、そのうち3つが世界記録となった。

 これらの好記録に海外メディアが注目している。英紙『The Guardian』では、「アスリートの1~2%パフォーマンスを向上させる史上最速のトラックだ」と同競技場のトラックを造ったイタリア『モンド社』のアンドレア・ヴァッラウリ氏のインタビュー記事を掲載した。

 記録が生まれる背景には、2層構造でつくった同トラックのゴムの仕組みがあるとヴァッラウリ氏は語っている。

「下層部を六角形のデザインにし、小さな隙間には空気が入っている。それは衝撃吸収を提供するだけでなく、トランポリンの効果と同じように、エネルギーを反発させている。我々のトラックがアスリートのパフォーマンスを向上させたのは、この組み合わせを改良したからなんだ」
 
 選手の足を怪我から守り、さらに反発力を生み出すゴムはトラックだけでなく、幅跳びや三段跳びの助走路まで全て同様の仕組みとなっているようだ。

 今大会の女子400mハードルで世界記録を樹立し、優勝を飾ったシドニー・マクラフリン(アメリカ)は、「弾んでるようだ。弾む動きを吸収するだけで終わるトラックもあるけど、これは跳ね返してくれるね」と米紙『New York Times』で明かしている。

 近年、靴の進化が著しい中、記録の向上はトラックの進化もその一端を担っているようだ。

構成●THE DIGEST編集部

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