東京五輪でバレーボール男子日本代表の29年ぶり決勝ラウンド進出に大きく貢献した西田有志が、今シーズンからのイタリア挑戦を正式発表した。移籍先となるイタリアのクラブが公式HP上で大きな期待を込めた歓迎の特集記事を公開した。

　ブラジルとの準々決勝後、主戦場を海外へ移すことを自ら明かした西田が、その舞台に選んだのはバレーボール界の最高峰リーグ。五輪をともに戦った25歳の日本代表主将、石川祐希が７シーズン目を迎えるイタリアのセリエAだ。

　移籍先となるトンノ カッリポ・カラブリア・ビーボ ヴァレンティア（通称ビーボ ヴァレンティア）は、海外からも関心が集まる西田の加入を、「日本人選手ユージ・ニシダがビーボに降臨」と見出しをつけて公式HP上で大々的に発表した。

　クラブ初の日本人選手となる西田について、「チームの力を最大限に引き上げる存在」、「すでに複数の国際大会で実力を示している世界トップクラスのオポジットの１人」と大きな期待を込めた文面で紹介。そのポテンシャルを、「驚愕の跳躍力、洗練されたテクニック、多彩な球種と賢さを駆使して相手を翻弄する得点力」と絶賛し、「日本代表のレフティーがその持ち得るすべてのクォリティーをセリエAで披露する」と、新戦力の活躍を確信しているようだ。

　同記事では西田の球歴とそれにまつわる様々なエピソードのほか東京五輪での活躍ぶりなどを、詳細かつ大ボリュームで取り上げており、闘争心みなぎるアタッカーへ向けられたクラブの熱量の高さは想像以上だ。
  　西田はこの記事を通してコメントを発信。「スーペルリーガ（セリエA）でプレーできることをとてもうれしく思っています。世界ナンバーワンのリーグですから。どこよりも先に声をかけてくれたこのクラブのオファーを受けることにしました。話し合いは始めからスムーズに進み、自分の意向を理解してくれるクラブに出会えたことで合意に至りました」と移籍に至った経緯を明かしている。

　この日を心待ちにしていた現地ファンに向けては、「サポーターの皆さんの愛情と熱い思いがこもった応援を楽しみにしています。それに応えるために常に全力を出しきることを約束します。大勢の観客で埋まる会場は自分を奮い立たせてくれる。たくさんのファンの前でプレーするのをすごく楽しみにしています」とメッセージを送っている。

　西田加入の正式発表を受けて待ちわびていた現地サポーターたちが大きく反応。クラブ公式SNSではインスタグラムだけでもわずか数時間で「いいね！」が1万回を超えた。コメント欄には、「やっときた～」「これでホッとしたわ」と移籍実現に胸をなでおろす声や、「ようこそ、イタリアへ」「超スーパーな獲得だぜ、ビーボよくやった！」「信じられない。本当だよな」など、西田への関心の高さが分かる歓迎メッセージが殺到。東京五輪では対戦しこれからチームメートになるブラジル代表のドウグラス・コヘイア デ ソウザも拍手マークで歓迎している。

　キャリア初の海外挑戦に臨む西田。現地時間10月10日に行なわれる第１節のターラント戦で注目のイタリアデビューを迎えることになる。

構成●THE DIGEST編集部

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