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女性ボランティアの“親切心”が金メダルの支えに!ジャマイカ選手が直接感謝、国は招待を予定

THE DIGEST編集部

2021.08.13

110メートル障害で金メダルに輝いたパーチメントは、準決勝前にハプニングがあったことを明かしている。(C)Getty Images

 東京五輪の陸上競技男子110メートル障害で金メダルを獲得したジャマイカのハンスル・パーチメント。実はこの優勝には、あるボランティア女性の"親切心"があった。

 遡ること8月4日の準決勝。パーチメントは国立競技場に向かいバスに乗ったはずが、降り立ったのはなんと競泳の会場である東京アクアティクスセンターというハプニングが発生。「選手村に戻って、正しいバスに乗ったらウォーミングアップをする時間がない」と頭が真っ白になったパーチメントは立往生。

 そこでバス係をするボランティア女性に相談を持ちかけたところ、タクシー代を貸してくれたのだ。救世主のおかげで「試合に出るのに十分なウォーミングアップをとれる時間内にスタジアムに到着出来た。本当に素晴らしい」と振り返るパーチメントは、無事決勝へと勝ち上がった。

 そして翌日の決勝では、シーズンベストである13秒04を記録し優勝を果たした。試合後、自分だけでは決して成し遂げられなかった金メダルのお礼を伝えに、パーチメントは再び勝利の女神の元へ向かったのだ。
 
 この再会の様子をパーチメントは、自身のSNSで公開している。女性ボランティアと再会した31歳は、「ティアナ」と呼びかけ、「あなたは決勝に行けるように尽力してくれた」と感謝し、金メダルを渡した。ティアナさんは驚きのあまり「うわ!ヤバ!」と思わず日本語を口にし喜びを分かち合うと、さらにパーチメントはTシャツをプレゼント。そして返金もきちんと行なった。

 一連の動画を目にしたジャマイカの観光大臣エドモンド・バートレット氏は「彼女がしたことは結果がどうなるか分からない、無私無欲のことである」と感動を表現し、ジャマイカへ招待する予定だと同国紙『The Gleaner』で公表。そして「たとえ彼女が世界のどこにいても彼女が示した親切心にお礼をしたい」と感謝を述べている。

 ボランティアの優しさ溢れる行動とチャンピオンの感謝の気持ちが伝わる動画は、瞬く間に世界中へと拡散されている。この感動物語は今後も語り継がれることだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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