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「一緒にいて強さを与えてくれる」“皇帝”シューマッハーの現状を夫人が告白。息子ミックは「父とF1のことを話したかったのに」

THE DIGEST編集部

2021.09.09

夫人はシューマッハー(写真)について「状況が改善できるようにあらゆることをしています」と語った。(C)Getty Images

夫人はシューマッハー(写真)について「状況が改善できるようにあらゆることをしています」と語った。(C)Getty Images

 ベネトンやフェラーリで91回の優勝を飾り、7度のワールドチャンピオンに輝いたF1界の最高のレジェンドのひとりであるミハエル・シューマッハーが、フランスのスキー場で滑走中に転倒した際、脳に深刻なダメージを負うという衝撃のニュースが世界を駆け巡ったのは2013年12月のことだった。

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 ヘルメットを被っていなければ命はなかったといわれるほどの重大な事故の後、長く人工的な昏睡状態に置かれ、翌年に意識を取り戻したシューマッハーは、その後は自宅に戻り、コリーナ夫人ら家族の手厚いケアを受けながらリハビリを続けているようだが、関係者の話では、歩行や意思疎通は難しいという。

 そんな厳しい状況にあるかつての「皇帝」だが、9月15日より動画配信サービス『Netflix』でドキュメンタリーが配信される予定となっており、イタリアの大手スポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、その中で語られるシューマッハー一家のミハエルに対する思いや、彼の現状を説明するコメントの一部を紹介している。

「私は彼に起こったことを、神様のせいにしたことは一度もありません。運が悪かったのです。そして、これ以上の不運はありません」と心情を吐露したコリーナ夫人は、実は8年前に事故が起きた時、その前にスキー場の雪の状態が悪いことを夫から伝えられており、ドバイに行き先を変更する可能性もあったという。
 
 シューマッハーの健康状態などの詳細については、「彼がそうしたように、家族のプライバシーを守りたい」という理由では語っていないものの、「一緒に暮らし、治療法に従って、彼が元気になり、状況が改善できるようにあらゆることをしています。家族は団結しており、私も、子どもたちも彼を恋しく思っています。しかし、ミハエルはそこにいます。彼は以前とは違っていますが、私たちと一緒にいて、強さを与えてくれるのです」と明かしている。

 シューマッハーといえば、息子のミックが今季からF1(ハース)にデビューし、偉大な父と同じ道を歩んでいるが、彼は親子としての普通のコミュニケーションがとれないことを「アンフェア」とこぼし、「父と話したいことは山ほどある。今、僕はF1ドライバーになり、色々なことを話し合いたかったのに……。本来経験できたであろう多くのことを、僕は諦めるしかない」と、やるせない気持ちも吐露した。

 一方、かつてスクーデリア・フェラーリの監督を務め、シューマッハーとともに黄金時代を築き上げた、現FIA(国際自動車連盟)会長のジャン・トッドは、現在のシューマッハーに会うことが許されている数少ない人物のひとりで、『Gazzetta dello Sport』に対して、「マイケル(ミハエル)はゆっくりとだが、確実に良くなるだろう」と希望を示すとともに、シューマッハー家の素晴らしさを強調している。

 コリーナ夫人は「夫にこんなことが起こるとは思ってもみませんでしたが、それでも私たちの生活は続いています。可能な限り、プライベートの生活を守っていくことを大切にしています」と語っているが、トッド会長の言葉通り、状況が改善されることを心から願いたい。

構成●THE DIGEST編集部

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