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「歴史的キャリアに幕を下ろすか」世界選手権に参戦中の内村航平に仏メディアが注目!「史上最高の男子選手」

THE DIGEST編集部

2021.10.22

予選を突破した内村。鉄棒の決勝は24日に行われる。(C)Getty Images

 体操ニッポンの新旧王者の雄姿に視線が注がれている。

 体操の世界選手権が北九州市で開幕し、10月20日には男子鉄棒の予選が行なわれ、五輪2大会で個人総合金メダルの実績を持つ内村航平が登場した。内村は14.300点を記録し5位で通過、東京五輪では同じ鉄棒種目で、まさかの落下という結果に終わったものの、地元での大舞台では見事な演技を披露して決勝へと希望を繋いだ。

 また、今夏の東京五輪で個人総合金メダルの橋本大輝もこの日、個人総合と鉄棒で予選トップとなり、決勝へ駒を進めている。

 新旧王者の競演は、国内外で高い注目度を集めているようだ。フランス国営のニュースサイト『France24』では今大会に挑む両選手のトピックを掲載。オリンピック連覇という実績を誇り、圧倒的な強さを見せてきた内村と、自国開催の東京五輪で金を獲得した橋本について「比較は避けられない」として、両者の今大会までのプロセスなどについても綴っており、その中で特に内村へ関心を寄せている。

「新しい日本の王者」として橋本を紹介した後、内村は「キング・コウヘイ」とも称しつつも「東京でオリンピック4つ目のメダルを目指していたが、結果的には失敗に終わった」「ウチムラは、体力を温存するために鉄棒競技のみに出場するも、予選で転倒し、決勝に進むことができなかった」と、夏の五輪を振り返った。
 
 また、内村のコメントとして、周囲から橋本と比較されることに関しては「僕と彼は違う」と否定の意思を示したことや、橋本が「内村を尊敬している」と語ったことも伝えている。

 記事の後半では内村の実績についても「世界選手権で10個の金メダルを獲得し、通算21個のメダルを獲得した。2012年から2016年のオリンピックまでのすべての大会で世界総合のタイトルを獲得し、史上最高の男子体操選手と広く認められている」とこれまでの功績を讃えている。

 だが、その一方で、「彼の歴史的なキャリアには時間が刻まれており、今週、彼のホームタウンで競技を行なった後、幕を下ろすのではないかと推測する人もいるはずだ」と、内村の今大会後の進退についても見解を示した。

 世界の体操界をリードしてきたかつての王者については、世界中のメディアが現在の一挙手一投足を伝えている。内村が出場する鉄棒の決勝は24日。偉業を達成し続けてきた男の渾身の演技を見届けたい。

構成●THE DIGEST編集部