バレーボール

イタリアで戦う石川祐希&西田有志の評価は?両チームの指揮官が言及「二人は似た特徴を備えている。優劣をつけがたい」

THE DIGEST編集部

2022.01.22

イタリアで活躍する西田(左)と石川(右)。日本代表の主力たちは、現地でどう評価されているのか。(C)Getty Images

 主戦場とするイタリアセリエAで切磋琢磨するバレーボール男子日本代表の石川祐希と西田有志。両選手の存在は世界最高峰と呼ばれるリーグでも大きな注目を集めているようだ。

 イタリアで7年目を迎えた石川は所属するミラノで公式戦4連勝中。直近のコッパイタリアで3連覇を狙うチヴィタノーヴァを退けクラブ史上初の4強入りに貢献する活躍を見せたばかりだ。西田は今シーズンから参戦を始めた新天地で鮮烈なデビューを飾り、6戦目でMVP(マンオブザマッチ)を獲得。およそ2か月の負傷離脱を経験するも復帰戦では最初のボールタッチとなったサービスでいきなりエースを決め現地ファンを沸かせた。

 2人の日本人選手にスポットライトを当てたのは、同リーグの公式YouTubeチャンネルが、スター選手や名将を招いて現地日曜日にライブ配信している番組「After Hours」。司会を務めるアンドレア・ゾルジ氏は、世界選手権2連覇を果たしたアタランタ五輪の銀メダリスト。東京五輪で男子日本代表を率いた中垣内祐一氏とロンドン五輪で女子代表を28年ぶりのメダル獲得(銅メダル)へ導き、パリ五輪へ向けて5年ぶりに監督に復帰した真鍋正義氏が現役時代(80年代後半から90年代)に対戦したイタリア代表黄金期のエースだ。

 この人気番組に石川と西田それぞれが所属するクラブの監督が出演してインタビューに応えた。ゾルジ氏は同リーグですでに誰もが知る日本代表のエースについて、「海外の選手たちと比べると物静かな印象だがチームでの立ち位置は?」と質問。パワーバレー・ミラノのロベルト・ピアッツァ監督は、「声を上げて言うが、ユウキは接着剤的な存在で調和をつくりチームをまとめている」と回答。日本代表の主将として示したリーダーシップをイタリアで初めて2シーズン目を過ごすクラブでも発揮していると言う。
 
 続いて、話題は両日本人選手の共通点に。石川がミラノに加入した2020年にクラブのソーシャルメディア公式アカウントのフォロワー数がおよそ5万3000人増加したことを知るピアッツア監督はすかさず、「日本人フォロワーの多さ」と笑顔で回答。西田が所属するトンノカッリポ・ヴィ―ボヴァレンティアのヴァレリオ・バルドヴィン監督も、「それは間違いない」と賛同した。国を超えた熱狂的なサポーターの応援にバレーボール大国も驚いているようだ。

 アスリートとしての共通点に言及したのは、石川のパドヴァ時代の指揮官バルドヴィン監督。「両選手ともに練習への取り組み方が素晴らしい。常に準備を整えていて、問題を起こすようなことは全くない。それどころかピアッツァ監督も言っていたが、チームに調和をもたらす接着剤の役割を担っている」と、バレーボールに対する真摯な姿勢を高く評価した。

 2人をよく知る同監督は技術面に関して、「似た特徴を備えているね。高い跳躍力、スピードに溢れたプレー、スイング動作において腕を加速させる能力は並外れている。優劣をつけがたい。知っての通り、イシカワは年齢が上なことに加え、イタリアで複数シーズンにわたりプレーしていて経験が豊富。それはニシダが持っていない要素だ」と分析して高いポテンシャルを称賛。ともに戦う西田へは、「この先大きな成果を得ることが可能な選手だと考えている」とエールを送った。

 日本バレーボール界を背負う石川と西田。2年後に迫るパリ五輪では、イタリアで磨きをかけたパフォーマンスで世界をあっと言わせてくれるはず。2人のさらなる進化を期待したい。

構成●THE DIGEST編集部