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バレーボール

石川、西田、そして高橋ーーなぜエースたちはイタリアを目指すのか。先駆者・石川祐希の回答は?

THE DIGEST編集部

2021.12.08

イタリアで7年を過ごす石川。後輩たちのよきアドバイザーになっているようだ。(C)Powervolley Milano

イタリアで7年を過ごす石川。後輩たちのよきアドバイザーになっているようだ。(C)Powervolley Milano

 バレーボール世界最高峰と呼ばれるイタリアセリエAで台頭する日本人選手に、現地で大きな注目が集まっている。

 2014年にモデナでイタリア挑戦をスタートさせて以来、セリエAで活躍を続ける日本代表の絶対的エース石川祐希(パワーバレー・ミラノ)。その背中を追って今シーズンから参戦している同代表のパワーヒッター西田有志(トンノカッリポ・ヴィ―ボバレンティア)に続き、若き逸材と評される高橋藍(日本体育大学2年)がそこに仲間入りする。

 石川は現地時間12月5日、高橋の加入先であり、自身も2019-20シーズンに在籍したパドヴァと対戦。2連勝を飾った試合後のコートで、イタリア最大手スポーツメディア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のインタビューに流暢なイタリア語で応えた。

 記者は、3人目の日本人選手として高橋がパドヴァでプレーすることに触れ、「なぜ日本から多くの選手がこのリーグを目指すのか?」と質問。世界トップクラスのリーグも日本人選手の台頭に驚きを隠せない様子だ。これに石川は、「イタリアリーグが最高にハイレベルであることは、日本人選手の誰もが知っていて、その舞台でプレーすることを夢見ています。加入を望むクラブの存在。(西田と高橋が)願いを実現できた理由はそれに尽きると思います」と回答。現地の状況をよく知る背番号「14」は、日本人選手のレベルアップにより獲得を希望するセリエAのクラブが増えたことで、イタリアへの門戸が広がりつつあると感じているようだ。

 その礎となっているのは厳しい環境のなかで7年にわたり惜しむことなく努力を続け確かな結果を残してきた石川本人の存在だろう。現地を知り尽くす先駆者に高橋はセリエA挑戦の準備段階で相談を持ち掛け、西田は言葉や文化が異なる新天地で頻繁に連絡をとっていると言う。
 
 インタビューの直前、高橋がポジション争いをすることになる大活躍中の主力で下部組織出身の21歳マッティア・ボットロ(イタリア代表)ら古巣の面々とコート上で談笑していた石川は、「パドヴァには友人がたくさんいて今もおしゃべりをしていたところです。けれど、友人であっても試合では敵。競い合うことになる」とシビアにコメント。後半戦で年明け早々と2月に行われる西田と高橋、かわいい後輩それぞれとの直接対決でも手を抜くつもりはなさそうだ。

 石川は最後に、「今シーズンは昨シーズンよりさらにリーグ全体のレベルが上がっていると思います。全てが厳しい試合になりますが、僕たちはこのリーグで戦うことで向上を図れると確信しています」と力強く語り、3年後にパリ五輪を控える代表メンバーがイタリアで成長することを約束した。

 リーグ戦でスロースタートから調子を上げてきている石川、怪我からの復帰が間近な西田、そして高橋が満を持して近々イタリア入りする。現地を驚かせる3選手のパフォーマンスを大いに期待したい。

構成●THE DIGEST編集部

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