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「真の犠牲者はスロベニアだ!」“失格騒動”の最中に地元メディアがまさかの主張!「メダルを奪われた」とも【北京五輪】

THE DIGEST編集部

2022.02.11

スキージャンプ競技で女子個人も混合団体も制したスロベニア勢。男子でも勢いを持続させるか。(C)Getty Images

スキージャンプ競技で女子個人も混合団体も制したスロベニア勢。男子でも勢いを持続させるか。(C)Getty Images

 いまだ世界中で議論の的となっている北京五輪・スキージャンプの“スーツ失格問題”。2月7日に行なわれた渦中の種目、男女混合団体を制したのはスロベニア代表だったが、その国内メディアが驚きの見解を示している。

 現地木曜日に『Zurnal24』は「騒動は続いている。スロベニアはメダルをひとつ奪われた」と題した記事を掲載。まず「競技から数日が経っても、いまだ失格を巡るドタバタ劇は終息を見ていない」と書き出すと、「日本のサラ・タカナシ(高梨沙羅)とは違い、ドイツ、オーストリア、ノルウェーの代表チームがFIS(国際スキー連盟)への攻撃をいっそう強めているからだ」と説明した。

 そのうえで、「今回の騒動における真の犠牲者はスロベニアだ!」と怒りを露わにする。「我々の代表チームが混合団体であんなに素晴らしいジャンプを披露して頂点に立ったのに、世界のメディアはまるで取り上げず、相も変わらず失格問題を巡る報道ばかり。呆れてしまうほどだ」と嘆き節を連ねた。

 すると、主張はさらにエスカレート。混合団体ではスーツ規定違反で5選手に失格処分が言い渡されたが、そこには個人ノーマルヒルで銀メダルのカタリナ・アルトハウス(ドイツ)と同4位の高梨が含まれていた。その点に着目した同メディアは、「混合団体で違反となったスーツを彼女たちは個人戦でも着用していたという。FISによると個人戦ではスーツのチェックが徹底されていなかったが、彼女たちが同様に失格となっていれば、表彰台はスロベニアの選手で独占されていたのだ」と論じたのだ。

 個人ノーマルヒルでもスロベニア勢は絶好調だった。ウルシャ ボガタイが初の五輪金メダルに輝き、ニカ・クリジュナルが銅メダルを獲得。ただ、2021年世界選手権の覇者であるエマ・クリネツが5位に沈んでいた。『Zurnal24』は「(4位の)タカナシのスーツも違反だったのなら、我らがクリネツも銅メダルに繰り上がって然りだ」と語気を強める。
 

 記事の最後には、かつてスロベニア代表チームでも仕事をしたフランス人のジャンプスーツ専門家、フレデリック・ゾズ氏のインタビューも掲載。同氏は「今回のFISの対応はとても喜ばしいものだと捉えている。私はこの問題をずっと指摘してきたのに、長年に渡って放置されてきた。ようやく本腰を入れた結果、今回のような問題に発展してしまったのだ。しかもオリンピックの舞台で起こってしまい、それ自体はとても残念に思う」と話した。

 そのうえでゾズ氏は「FISがコントロールに問題を抱えているのは確かだろう。だが、個人と混合団体で異なるアプローチをした点はもっと議論されなければならない」と断言。そして、「今回は大国が痛々しい忠告を受けた格好だが、以降はよりフェアなものになるはず。小国にも生き残りのチャンスが与えられるだろう」と結論付けた。

構成●THE DIGEST編集部

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