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「薬で“天才少女”と言われているだけ」ワリエワの出場に米国&韓国放送局は異例の“解説ボイコット”【北京五輪】

THE DIGEST編集部

2022.02.16

女子SPで首位発進を決めたワリエワだが、アメリカや韓国では放送中に解説者がボイコットをしている。(C)Getty Images

 2月15日に行なわれた北京五輪フィギュアスケート女子シングルのショートプログラム(SP)。同種目を放映していた米国や韓国では、解説者らが話を止める異例のボイコットが起きていた。

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 解説者らによる抗議は、首位に立ったカミラ・ワリエワ(ROC)の演技中に起きた。実は、昨年12月のロシア選手権後のドーピング検査で禁止薬物トリメタジジンが検出されたワリエワだが、「要保護者」とされる16歳未満と考慮され、出場が容認されていた。

 大会前から元選手らは、この決定に激怒していた。そのひとり元アメリカ代表のタラ・リピンスキー氏は、「陽性反応が出たのであれば、彼女に出場させるべきでない。年齢や検査・結果のタイミングに関係なく。このことは、私たちのスポーツが永久的な傷を残すことになる」と訴えていた。

 そんなリピンスキー氏は今回、米放送局『NBC Sports』で同じく元選手のジョニー・ウィアー氏とともに解説を務めた。米紙『New York Post』によれば、「放送はほぼ沈黙し、彼女の演技について2、3のコメントにとどまった」と伝える。そして演技後にウィアー氏は、「オリンピックでのカミラ・ワリエワのショートプログラムだったとしか言えない」と発したのだ。
 
 韓国では『SBS』『KBS』『MBC』の3局が中継するも、どのチャンネルも無言を貫き抗議していた。SBSの解説を務めた元韓国代表のイ・ホジョン氏は、「禁止薬物を服用しても堂々と五輪の舞台に立つ選手にはコメントは出来ない」と説明したうえで、こう怒りを露わにした。

「幼い頃から五輪を目指してきた他の選手の努力はなんなの?彼女は薬に手を染めて"天才少女"と言われているだけ」

 なお、ワリエワが上位3位以内に入った場合は、フラワーセレモニー(今回はマスコットセレモニー)およびメダル授与式は行なわない。このまま薬物に手を染めた15歳が勝ちきるだろうか。17日のフリースケーティング(FS)も世界が注目する。

構成●THE DIGEST編集部

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