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「バッハ会長は腐敗を受け入れた」“ワリエワ失格”に踏み切れないIOCを英紙コラムニストが猛批判!「嫌悪感しかない」【北京五輪】

THE DIGEST編集部

2022.02.17

IOCのバッハ会長に対する痛烈な非難の声が上がった。 (C)Getty Images

 ロシアオリンピック委員会(ROC)から北京五輪に参加している選手たちは大勢いる。フィギュアスケート競技の15歳、カミラ・ワリエワもそのひとりだ。

 フィギュア競技の最初に行なわれた団体戦に、ワリエワは女子シングル選手として出場。ショートプログラム(SP)、フリースケーティング(FS)で高得点を出し、ROCの金メダル獲得に大きく貢献した。しかし、その直後に昨年12月に採取された検体のドーピング陽性が発覚。団体戦のメダル授与式が延期された。

 暫定的に選手としての資格を停止されたワリエワだが、個人戦出場は、ロシア・アンチドーピング機構の処置とスポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定により可能になった。だが、これを受けた国際オリンピック委員会(IOC)と国際スケート連盟(ISU)は、ワリエワが3位以内に入った場合、メダル授与式などを行なわないことを発表している。

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 一連の流れについて、英紙『Daily Mail』のマーティン・サミュエル記者は「ロシアはまたしてもドーピングで大会を汚し、汚職を先導したトーマス・バッハは自業自得の屈辱を味わっている」と厳しく批判している。
 
「IOCのバッハ会長とロシアはお互い様だ。バッハもROCも、彼らの残した功績には今後すべてに疑惑のアスタリスクが付く。そして、ワリエワが滑る氷には、巨大な不穏の雲が広がり、一挙手一投足に疑問符がつく。確かに偉大な才能をもつ一人かもしれないが、彼女は詐欺師なのか、ロシアのシステムに堕落してしまったのか? 今大会は、スポーツよりも何よりも、それが最大の話題となっている」

 そして、「バッハ会長は政府の中枢から発せられたドーピングプログラムの証拠をすべて突き付けられた後、ロシアをオリンピックに復帰させるために屈服した人物だ」とIOCが抱くゆがみを指摘している。

「バッハ会長は正面から腐敗を招き入れたのだから、ロシアに軽視されるのも無理はない。そう、フィギュアは大切な競技だ。従来のスポーツの枠を超えた観客にオリンピックをアピールすることができる。そのはずが、ワリエワを参加させることで、五輪を象徴するメダル授与式は消滅した。彼女にメダルを与えた後、不正が確実になってしまうことを恐れているからだ。だが、そのせいで現時点でロシア側は勝利に酔いしれ、ドーピング問題を忘れたかのように正義を口にする。

 このオリンピックでは、触れるものすべてを汚すスポーツ界の汚点を、当局が忍び足で回避しているような、薄汚れた光景が広がっている」

 また、CASの裁定についても「ワリエワだけが『回復不可能な損害』を受ける可能性を主張するなら、クリーンなアスリートたちにとってのダメージは考えないのか?」と呆れている。

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「クリーンな選手たちへの損害は考えないのか?」