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やはり男子育成は不得手? ロシア・フィギュア界期待の12歳が“トゥトベリーゼ組”からの電撃退団を決断!

THE DIGEST編集部

2022.03.02

トゥトベリーゼ氏(右)とその教え子たち。3月に行なわれる世界選手権出場への道は事実上閉ざされた。(C)Getty Images

 先の北京五輪で世界を揺るがした、カミラ・ワリエワを巡るドーピング疑惑。一連の報道にあって日増しにクローズアップされていったのが、"鉄の女"の異名を持つロシア・フィギュアスケート界の名コーチ、エテリ・トゥトベリーゼ氏だ。
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 女子シングルで演技を終えたワリエワへの心無い言葉や、銀メダルに輝いたものの納得がいかず、癇癪を起こしたアレクサンドラ・トゥルソワにハグを拒否されたほか、かつての教え子に過去の行き過ぎた指導を暴露されるなど、なんかと話題に事欠かなかった。

 そして月曜日、ISU(国際スケート連盟)はIOC(国際オリンピック委員会)による勧告を受諾し、ロシアとベラルーシの選手およびコーチを国際大会から除外すると発表した。これによってトゥトベリーゼ氏が指導する北京五輪金メダリストのアンナ・シェルバコワ、トゥルソワ、ワリエワ、さらには同ペア銀メダルのウラジミール・モロゾフ&エフゲニア・タラソフ組も3月の世界選手権出場への道が閉ざされた。

 そんななか、ロシア通信社『RIA Novosti』が新たなニュースを発信した。トゥトベリーゼ氏が主宰する「サンボ70」のメンバーで、現在12歳の男子シングル選手、ニコライ・コレスニコフが他チームへ移籍すると報じたのだ。

 コレスニコフはロシア国内で「エフゲニー・プルシェンコの再来」とも謳われる天才スケーターで、12歳ながら1月に開催されたロシア・ジュニア選手権で4位に食い込んだ。自身のインスタグラムでトゥトベリーゼ氏や「サンボ70」のスタッフへの感謝の想いを綴りつつ、「それでもアスリートは、自分のゴールのためには新たな変化に挑戦しなければいけない時があります」と決意のほどを記した。

 新天地に選んだのは、スベトラーナ・ソコロフスカヤ氏が責任者を務める「CSKAモスクワ」のスケートチームで、2021-22シーズンのロシア選手権と欧州選手権の男子シングルで優勝したマルク・コンドラチュク(18歳)が籍を置き、2019-20シーズンの欧州選手権で銀メダルのアレクサンドル・サマリン(23歳)も指導を受けている。
 

 五輪2連覇を果たすなど、「サンボ70」が生み出した女子選手は数多の栄冠に輝いてきたが、男子シングル選手の育成については疑問符が付いてきた。これまでに五輪や世界選手権など世界大会でトップを狙えるような選手は輩出できていない。

 北京五輪・男子シングルを10位で終えたモリシ・クビテラシビリはトゥトベリーゼ門下生だ。ロシア出身でジョージア代表の26歳は、大会後に『Match TV』の取材で「なぜサンボ70では男子スケーターが育たないんだい? いまではハイレベルを維持しているのは君くらいだけど?」と問われ、言葉を選びながら次のように答えた。

「まあ、いろんなファクターがあると思うよ。辛抱強さが足りない選手がいたりね……。そう、フィギュアスケーターには辛抱強さと精神的な強さが必要だ。たしかにエテリの指導は生易しいものじゃない。でも時間が経てば、その手法にも慣れていくものさ」

 どんな背景があったかは判然としていないが、ロシアのスポーツメディアは将来性溢れる12歳の電撃移籍を大々的に取り扱っている。

構成●THE DIGEST編集部

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