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「差別的な決定だ」ISUが突きつけた“世界選手権NO”にロシア側が猛反発!「裁判? 考えさせてほしい」

THE DIGEST編集部

2022.03.02

世界選手権出場を巡って議論の的となっていたワリエワ(写真)。今回のISUの裁定によって“出場資格”そのものが消滅するか。(C)Getty Images

 現地時間3月1日、ISU(国際スケート連盟)が重大な裁定を発表した。

 ロシア軍のウクライナ侵攻を受けて、IOC(国際オリンピック委員会)はロシアおよびベラルーシの選手、関係者をあらゆる国際大会から除外するように各競技連盟に勧告。ISUはすぐさま呼応して緊急理事会を開催し、両国選手団の国際大会からの締め出しを決定した。つまり、ロシアは3月にフランスのモンペリエで開催される世界選手権に、事実上出場できなくなったのだ。

 東京五輪や北京五輪ではドーピング問題に関連して、「国」としての出場が認可されず、ROC(ロシア・オリンピック委員会)として参加していたが、今回はその可能性も低いと見られている。北京五輪・女子シングルで優勝したアンナ・シェルバコワ、同準優勝のアレクサンドラ・トゥルソワ、さらにはドーピング疑惑に最中で世界選手権出場の是非が問われていたカミラ・ワリエワらも、一年に一度のワールドカップへの道を閉ざされた格好だ。

 もちろん、ロシア側は猛反発。FFKKR(ロシア・フィギュアスケート連盟)は公式サイトで怒りの声明を発表した。「我々は今回の決定が差別的なものであると確信している。IOCの基本理念からも根本的に矛盾しているだろう」と糾弾し、次のように続けている。

「不幸にも今回の決定が明らかとしたのは、スポーツが完全に政治の道具に成り下がり、ダブルスタンダードを示すものになったという事実だ。アスリートたちに大きな打撃を与えてしまった。この状況下にあって、我々は可能なかぎりのあらゆるオプションを探り、アスリートとコーチたちの利益を維持・保護するために、必要な手段を講じる」
 

 さらにFFKKRのアレクサンダー・コーガン事務局長は地元メディア『Sport Express』の取材に応じ、「国籍を鑑みた差別である。彼らは最高の選手たちが集う本物の競争の場を奪うつもりなのか。これはフィギュアスケートのファンたちにも被害をもたらす決定だ」と断じた。

 FFKKR側の対抗措置として考えられるのは、北京五輪のドーピング問題でも実行したCAS(スポーツ仲裁裁判所)などへの告発だ。ロシア・メディア『Sport24』はその可能性について、FFKKRのアレクサンデル・ゴルシュコフ会長を直撃。世界選手権出場に関し、一貫して強硬な姿勢を崩してこなかった同会長は「まずは状況を完全に理解する必要があるだろう。今回の決定に対しては多くの疑問点がある。裁判? まだ発表から間もない。ちょっと考えさせてほしい」と答えるにとどまった。

構成●THE DIGEST編集部

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