旧ソ連時代に活躍したアイスホッケーのレジェンドからも、辛辣なコメントが飛び出した。

　現地時間３月11日、IOC（国際オリンピック連盟）は公式ホームページ上で、トーマス・バッハ会長の長文メッセージを掲載した。ロシア軍のウクライナ侵攻作戦に異を唱え、「苦しんでいるウクライナの人びとに寄り添い、連帯する姿勢を示すとともに、我々は平和を求める世界中の人びとと想いを共有する」と綴った。
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　さらには、ロシアとベラルーシの選手団に対する国際大会からの締め出しにも、あらためて言及。ロシア側から猛批判を受けているが、「政治的中立を保つべきという五輪憲章に反している、スポーツの政治化だという安っぽい議論の罠に嵌るつもりはない」と断じ、「政治と軍事的手段で“五輪休戦”を酷く侵害した者たちに、今回の結果を非難することなどできない」と突っぱねた。

　一連の強い言葉に対し、ロシア・スポーツ界からはふたたび反発が高まっている。スポーツメディア『Sport Express』にコメントを寄せたのが、元ソ連のアイスホッケー代表選手で、現在はロシアの国会議員を務めるヴャチェスラフ・フェティソフ氏だ。
 
　過去五輪で２度の金メダルに輝き、殿堂入りを果たしている63歳は「世界のスポーツをリードすべき立場なのに、バッハとはなんて弱腰なリーダーだろうか！」とバッサリ。「感情に流されるべきではない。あくまでIOCの憲章やルール、主義に準ずるべきだ」と主張し、「現在の混沌とした状況下で、彼では解決策を見出せないだろう。組織（IOC）を堕落させるような言葉は慎むべきだ」と言い切った。

　フェティソフ氏がバッハ会長の最新声明をチェックしたかどうかは判然としないが、ロシアの国民的英雄であり、現役国会議員という要人の発言だけに、小さくない波紋を広げそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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