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“鉄の女”トゥトベリーゼがコストルナヤに非情の退団通告!「気難しい問題児と見ていた」と露メディア

THE DIGEST編集部

2022.03.03

これまでも愛憎劇を演じてきたコストルナヤ(左)とトゥトベリーゼ氏(右)。電撃移籍の真相は明かされるのか。(C)Getty Images

これまでも愛憎劇を演じてきたコストルナヤ(左)とトゥトベリーゼ氏(右)。電撃移籍の真相は明かされるのか。(C)Getty Images

 2019年グランプリファイナルの女王、アリョーナ・コストルナヤが突然の移籍を発表した。恩師のエテリ・トゥトベリーゼ氏が主宰する「サンボ70」を退団し、エレーナ・ブヤノワ氏が指導する「CSKA」で練習をスタートさせたと明かしたのだ。
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 この一報を受けてロシア・メディアは騒然。さまざまな関係者にインタビュー取材を試みて移籍の真相を探り、ファンもコストルナヤのインスタグラムで質問を投げかけた。すると数時間後、コストルナヤ自身が短いメッセージで反応。「私にイニシアチブなどなかった。決めたのはエテリ・ギオルギエブナ(トゥトベリーゼ)です」と告白したのである。

 18歳の元欧州女王にとって、今回は2度目の退団だ。2020―21シーズンを前にトゥトベリーゼ氏と袂を分かち、当時声価を高めていたエフゲニー・プルシェンコ氏の「エンジェルズ・オブ・プルシェンコ」に移籍した。だが、パフォーマンスは一向に上がらず結果も残せない。そしてわずか8か月で、同じ動きをしていたアレクサンドラ・トゥルソワとともに古巣に復帰。「私の人生のすべてが間違っていた」と認め、トゥトベリーゼ氏に謝罪した。

 今回の移籍劇が最初に報じられると、ロシア国内では「コストルナヤは身勝手だ」「恩知らず」「わがまま」など批判的な意見が相次いだ。しかし選手本人が明かしたように、トゥトベリーゼ氏が事実上の退団通告をしたとなれば、話は別である。

 ロシア通信社『RIA Novosti』は昨年3月に復帰した際、コストルナヤとトゥトベリーゼ氏が交わした約束が影響しているのではないかと見る。48歳の名コーチは北京五輪イヤーを控え、以前にも増して厳しいトレーニングを課し、それに耐えられるなら「試用期間扱い」で戻ってきてもいいと告げたという。だがコストルナヤは12月下旬に右手を負傷(指2本を骨折)する前から、練習に取り組む姿勢に問題があり、不満を募らせていたトゥトベリーゼ氏が最終決断を下したというのだ。
 

 さらに、『Sport24』のアリーナ・ヴォルコワ記者がコラムで独自の見解を示す。「ふたたびスターとして輝くために戻ってきたが、彼女を待っていたのは厳しい現実だった。難易度の高いプログラム、コーチ陣からの容赦ない要求、そしてオリンピック出場を不可能にした怪我。蘇生は果たせなかった」と論じ、「トゥトベリーゼがコストルナヤを、かなり気難しい問題児と見ていた点は否めない。もはや一緒に仕事はできないと感じてもおかしくはなかった」と結論づけている。

 コストルナヤは北京五輪に出場できなかった。それでも大会後、同門であるアンナ・シェルバコワとトゥルソワのメダル獲得を喜び、ドーピング問題で揺れたカミラ・ワリエワにも温かいメッセージを寄せている。一方で彼女たちに宛てた言葉のなかで、「何度もコーチから、かならずしも好ましくない形で名前を呼ばれたりもしたよね(でも私たちにとっては財産)」と綴り、厳しい指導への本音も垣間見せていた。

 2月24日のトゥトベリーゼ氏の誕生日には、祝福の言葉とともに「あなたの忍耐と指導に感謝しています」と記していた。いったい今回の移籍を巡り、両者の間でどんな会話が交わされたのだろうか。
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