北京五輪の男子クロスカントリーで3つの金メダルに輝いたアレクサンデル・ボルシュノフ(ロシア)がさらなる窮地に追い込まれた。
【関連画像】北京五輪で獲得した5つのメダルを手にニッコリ微笑むボルシュノフ
ノルウェーの全国紙『VG』が報じたのは、ボルシュノフの行動に異議を唱えた大手スポンサーが撤退を表明したというもの。現地3月18日、モスクワのルズニキ・スタジアムでは「クリミア併合8周年記念コンサート」が盛大に開催され、ウラジーミル・プーチン大統領を筆頭に政府高官も軒並み出席。数多の五輪メダリストたちも壇上に上がり、9万5000の大観衆から拍手喝さいを浴びた。
そんな一大政治イベントにボルシュノフも参加したわけだが、彼とスポンサー契約を結ぶドイツの老舗スポーツメーカー『Kinetixx』がその行動を問題視。数多のプロスキーヤーにグローブを提供する同社のマーケティング・ディレクター、ヘルムート・ハヌス氏が『VG』の取材に応じて、怒りをぶちまけた。
「なんてクレイジーで馬鹿げたことをしたのか! 言葉が出てこない。プーチンの支持者であることを証明したようなものじゃないか。まったく受け入れられない行動であり、我々は彼から距離を置かざるを得ない」
ボルシュノフはロシア軍のウクライナ侵攻作戦が始まった直後、SNSで旧ソ連時代のユニホームを着用した画像を公開し、愛国心を誇示した。これがボルシュノフをはじめ、ロシア代表チームにスキーウェアや道具を提供する大手スポンサー、『Rossignol』社の逆鱗に触れて、契約を解除された。その後も国外の大小スポンサーが彼の元を離れ、今回、我慢していた『Kinetixx』社もついに堪忍袋の緒が切れたというわけだ。
一方で、『VG』はFIS(国際スキー連盟)の競技ディレクターを務めるピエール・ミニェレ氏にも意見を求めた。49歳の要人は「私個人としては、あまり急いで結論を出すべきではないと思う。彼があの場にいたのには、やむを得ない事情があったのかもしれないのだから」と慎重な姿勢を示し、次のように続けた。
「問題は複雑だと感じている。我々の文化的な価値観とロシアのそれは大きく異なるわけで、生活のバックグラウンドも違うだろう。彼らには完全なる自由などないんだ。ロシアの選手たちは何を許され、何を許されていないのか。私には分からない。ただひとつ言えるのは、クロスカントリーのワールドカップは人びとを分断するものではなく、あくまで団結させるものでありたいということだ」
他のメダリストたちが侵攻作戦のシンボルである「Z」マークを着けて登場していたのに対して、理由は不明だが、ボルシュノフだけは着けていなかった。これに対して一部のアスリートやメディアからは「ひとつの意思表示だ」と評価する声も上がっていたが、彼の真意はどこにあったのだろうか。
ミニェレ氏が指摘するように、それは誰にも分からない。
構成●THE DIGEST編集部
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そんな一大政治イベントにボルシュノフも参加したわけだが、彼とスポンサー契約を結ぶドイツの老舗スポーツメーカー『Kinetixx』がその行動を問題視。数多のプロスキーヤーにグローブを提供する同社のマーケティング・ディレクター、ヘルムート・ハヌス氏が『VG』の取材に応じて、怒りをぶちまけた。
「なんてクレイジーで馬鹿げたことをしたのか! 言葉が出てこない。プーチンの支持者であることを証明したようなものじゃないか。まったく受け入れられない行動であり、我々は彼から距離を置かざるを得ない」
ボルシュノフはロシア軍のウクライナ侵攻作戦が始まった直後、SNSで旧ソ連時代のユニホームを着用した画像を公開し、愛国心を誇示した。これがボルシュノフをはじめ、ロシア代表チームにスキーウェアや道具を提供する大手スポンサー、『Rossignol』社の逆鱗に触れて、契約を解除された。その後も国外の大小スポンサーが彼の元を離れ、今回、我慢していた『Kinetixx』社もついに堪忍袋の緒が切れたというわけだ。
一方で、『VG』はFIS(国際スキー連盟)の競技ディレクターを務めるピエール・ミニェレ氏にも意見を求めた。49歳の要人は「私個人としては、あまり急いで結論を出すべきではないと思う。彼があの場にいたのには、やむを得ない事情があったのかもしれないのだから」と慎重な姿勢を示し、次のように続けた。
「問題は複雑だと感じている。我々の文化的な価値観とロシアのそれは大きく異なるわけで、生活のバックグラウンドも違うだろう。彼らには完全なる自由などないんだ。ロシアの選手たちは何を許され、何を許されていないのか。私には分からない。ただひとつ言えるのは、クロスカントリーのワールドカップは人びとを分断するものではなく、あくまで団結させるものでありたいということだ」
他のメダリストたちが侵攻作戦のシンボルである「Z」マークを着けて登場していたのに対して、理由は不明だが、ボルシュノフだけは着けていなかった。これに対して一部のアスリートやメディアからは「ひとつの意思表示だ」と評価する声も上がっていたが、彼の真意はどこにあったのだろうか。
ミニェレ氏が指摘するように、それは誰にも分からない。
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