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フィギュア

世界選手権の“ロシア勢不在”に相次ぐ歓喜の声。本国からは「恥を知りなさい!」「悪意に満ちた連中」と猛反発が

THE DIGEST編集部

2022.03.26

世界選手権・ペアの表彰式。その結果はロシア国内でも大々的に報じられている。(C)Getty Images

世界選手権・ペアの表彰式。その結果はロシア国内でも大々的に報じられている。(C)Getty Images

 現地時間3月21日、フランスのモンペリエで開幕した世界フィギュアスケート選手権。ウクライナ侵攻作戦を受けて、ISU(国際スケート連盟)はロシアおよびベラルーシ選手団の大会参加を禁じており、ロシア側は対抗措置として、代替大会であるチャンネル・ワン杯の国内開催を決めた。
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 そんななか、北米のジャーナリストたちがこぞって“ロシア勢不在”について言及。カナダ出身のビバリー・スミス記者は「トリプルアクセルはないけども、女子スケートはなんて健康的で真っ当なんでしょう。北京オリンピックでのクレイジーなドラマとは大違い。安堵の溜め息が出るわ。ロシアのアスリートとジャッジがいない世界選手権。最高ね」と私見を明かした。

 アメリカ出身のクリスティーン・ブレナン記者は、母国のペアが43年ぶりに世界選手権で金メダルに輝いた事実に歓喜し、「ロシアなし? 中国なし? まったく問題ないわ」とコメント。同じくアメリカ出身のアンブリット・スティンゲレ記者は「ロシア人はいないほうがいい。ドーピングもないし、非スポーツマンシップもないし、コーチに公の場で罵られて悲しむスケーターもいない。この先何年も、ロシア人スケーターが出場しないことを願うわ」とぶちまけた。

 こうした風潮を受けて、ロシア・メディアが敏感に反応する。フィギュア界の大物たちに意見を求め、予想通りの猛反論が繰り広げられたのだ。

 フィギュアの元五輪銀メダリストであるイリーナ・スルツカヤ氏は「恥を知りなさい! 女子のロシア勢が世界最強なのは明白であって、とても世界選手権とは呼べない大会に成り下がっている」と厳しく論じれば、国内屈指の名コーチとして君臨するタチアナ・タラソワ氏も不快感を露わにし、「悪意に満ちた連中の言葉など気にもしない。せいぜい2回転ジャンプの時代遅れのプログラムを楽しめばいい。私たちロシアのことには触れないでちょうだい」と要求した。

 加えて、エフゲニー・プルシェンコ氏は「よくも次から次へと言ったもんだ。劣化した世界選手権で、今のうちに勝利を噛み締めていればいいさ。最強なのは我々だ」と言い放ち、北京五輪・女子クロスカントリーで金メダルを獲得したヴェロニカ・ステパノワは「ベストのロシア選手たちが出ていないのに世界選手権って言っていいわけ? そこには娯楽も世界のファンの関心もないと思う」と話している。
 

 悔しさの裏返しでもあるだろう。やはりロシア国内でも世界選手権への関心度は高く、同国メディアは現地取材を許可されていないが、その結果は逐一、大々的に報じられている。

 チャンネル・ワン杯は3月24日にサランスクで開幕。北京五輪・女子シングルで金メダルのアンナ・シェルバコワやカミラ・ワリエワ、エリザベータ・トゥクタミシェワらが出場し、ベラルーシの選手団も招待されている。

構成●THE DIGEST編集部

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