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「僕が“世界の顔”だからさ」ロシア記念式典参加の東京五輪金メダリストが批判殺到に反論!「国と大統領を応援しただけ」

THE DIGEST編集部

2022.03.28

東京五輪で2冠に輝いたリロフ。沸き上がる批判にも毅然とした態度を貫く。(C)Getty Images

東京五輪で2冠に輝いたリロフ。沸き上がる批判にも毅然とした態度を貫く。(C)Getty Images

 東京五輪でふたつの金メダルに輝いた名スイマーが、怒りの反論を展開した。

 渦中の人物となっているのは、ロシア出身のエフゲニー・リロフだ。昨夏の東京五輪では背泳ぎの100メートルと200メートルで見事優勝を飾り、フリーリレーでも銀メダルを手にした。帰国後はウラジーミル・プーチン大統領に健闘を絶賛され、いまやロシアの国民的英雄と評される25歳だ。
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 そんなリロフが現地時間3月18日、モスクワのルズニキ競技場で開催された「クリミア併合8周年記念コンサート」に姿を現わした。プーチン大統領を筆頭に政府要人が顔を揃え、夏季・冬季の五輪メダリストたちも登場した式典に招待されたのだ。ロシア軍のウクライナ侵攻を象徴する「Z」の文字を胸に貼り付けてステージに上がり、9万5000大観衆の喝采に応えた。

 一大政治イベントへの参加は周囲を大いに刺激する。リロフの個人スポンサーである水着メーカーの世界的ブランド『スピード』社はすぐさま契約解除を決定。「我々は可能な限りのもっとも強い形で、ウクライナでの戦争を非難する。そして戦禍によって苦しむウクライナの人びと、アスリートや仲間たちとの連帯を示す」との声明を発し、リロフに支払われるはずだった残りのスポンサー料は、国連を通してウクライナ難民救済基金に寄付すると明かした。

 ロシア国外のスイマーたちも怒り心頭だ。ウクライナ出身のバタフライ選手であるアンドリー・ゴボロフをはじめ、数多の選手たちがFINA(国際水泳連盟)にリロフへの処分を要求。FINAは懲戒委員会の設置を公表し、今週にも立ち上げられる予定だという。
 

 そして一連のバッシングを受けて、リロフ本人が口を開いた。ロシア全国紙『Sport Express』の取材に応じ、「最大のポイントは僕が競泳界における“世界の顔”だからだと思う」と主張し、「ルズニキにいたのが僕じゃなくて他のスイマーだったら、ここまでの騒ぎになっていないよ。オリンピックで特大の関心を集めた僕は、いまや生活のすべてで注目の的になっている」と論じた。

 さらにリロフは、次のように持論を展開する。

「オープンに言えば、あの記念コンサートで僕はZのマークが入ったウェアを着て、国歌を歌っただけなんだ。いったい何をしたって言うんだい? やがて彼ら(FINA)は、他のアスリートたちの文句を受け入れる形でアクションを起こした。単に自分の国と大統領を応援しただけで、なぜ議論の対象になるのかが分からない。でもこの試練に、僕は立ち向かうよ」
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