ロシア・フィギュアスケート界が誇る“皇帝”も、黙っていられなかったようだ。

　北京五輪のアイスダンスで金メダルを獲得したフランス人ペア、ガブリエラ・パパダキス＆ギヨーム・シゼロン組。先の世界選手権でも歴代最高得点となる「229.82」を叩き出して優勝を果たし、今回の五輪シーズンで唯一２冠という偉業を達成した。
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　物議を醸したのは、パパダキスが表彰式後に発したコメントだ。ロシア軍のウクライナ侵攻を受けて、ISU（国際スケート連盟）はロシアおよびベラルーシ選手団の出場を禁じていた。インタビュアーにロシア勢の不在について問われた26歳は、「とても特別ななにかだと感じています。彼らはウクライナ情勢とドーピング問題によって、他のスケーターたちの信頼を著しく損ないました。疑いの目を向けられる彼らがいなかったので、余計な緊迫感はなかったと思います」と私見を述べたのだ。

　これに対して、ロシア人ファンがパパダキスの公式SNSに批判コメントを大量に書き込み、ロシア・フィギュア界の重鎮たちからも怒りの反論が沸き上がった。そして、過去五輪でふたつの金メダルに輝くエフゲニー・プルシェンコ氏も参戦。スポーツメディア『Sport Express』の取材に応じ、次のように怒りの反論を展開したのである。

「彼らは洗脳されているんだろう。ロシアが悪い、我々全員が悪いという一方的な情報に踊らされているんだ。気にすることかい？　ああした人びとの考えをリセットするのには時間がかかるよ。まあ、僕たちが最強なのは揺るがない事実だ。ロシア人のいない世界選手権なんて、しょせん不完全なものさ」
 
　さらに、「強者にはいつも偏見が付きまとう。だからこそ、恐れられる。こんな攻撃など無視して、ロシア国民はより団結して打ち勝とう。前進を続けようじゃないか！」と呼びかけた。

　世界中に熱烈なファンを持つプルシェンコ氏だが、ロシア政府やウラジーミル・プーチン大統領を支持するスタンスを貫くなかで、いまや非難する声が後を絶たない。すっかりロシア・スポーツ界のご意見番のごとき振る舞いで、各メディアもこぞって意見を求めている。

構成●THE DIGEST編集部

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