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「馬鹿げたことを言うな!」スポーツ界からの“ロシア完全追放”を力説したポーランド閣僚に露側が猛反撃!「異常なヒステリーだ」

THE DIGEST編集部

2022.04.05

カナダ閣僚から飛び出した大胆発言。ロシア国会議員を務めるジュロワ氏(写真)も反論を展開した。(C)Getty Images

 現地時間4月4日、ポーランドのスポーツ観光大臣であるカミル・ボルトニチュク氏が大胆な提案を発した。
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 2月24日に開始されたロシア軍によるウクライナ侵攻を受けて、世界のスポーツ界の動きが活発だ。IOC(国際オリンピック連盟)やFIFA(国際サッカー連盟)、ISU(国際スケート連盟)など各競技連盟が、ロシアおよびベラルーシ選手団の国際大会出場を続々と禁止し、先の北京パラリンピックでは開会式前日にロシア選手団の除外が決定した。スポーツ界における"制裁"も拡大の一途を辿っている。

 いくつかのスポーツ連盟は正式に排除を決めておらず、選手個人の中立的な立場での参加などを認めているが、ボルトニチュク大臣は一時的な措置ではなく、彼らを連盟そのものから除外するべきだと主張する。ルクセンブルクで行なわれたEU(欧州連合)のシンポジウムで次のように語った。

「我々は、IOCをはじめとしたすべてのスポーツ連盟からロシア人を排除すべきだと考える。平和へのプロセスが完了し、ウクライナへの賠償が終わるまではそうすべきだ。もっと言えば、スポーツ界におけるロシア資本も排除したい。近年、彼らは主要なスポーツ連盟の重要ポストをカネの力で積極的に奪取してきた。これも同時に遂行されなければならない」

 ただ、選手の出場に関しては妥協点があるとした。先日、英国スポーツ大臣のナイジェル・ハドルストン氏が「英国での国際大会に参加したいロシアとベラルーシの選手たちは、プーチンやそれぞれの国家を支援するような言動を行なってはいけない。あくまで中立の立場であることを文書にしたため、我々への証しとする必要がある」との声明を出したが、ボルトニチュク氏もこれに賛同するという。

 39歳の政治家から飛び出した過激なプランに、ロシア側は当然のごとく反発した。

 2006年トリノ五輪の女子スピードスケート500メートルで金メダルに輝いたスベトラーナ・ジュロワ氏は、「なんて酷い意見でしょう。ポーランドはいつも我々に対して好戦的で、とりわけスポーツの対戦ではいつもこう。世界のスポーツから我々のような強者を排除したいのでしょう」と話し、「スポーツに政治を持ち込むべきじゃないし、軍事作戦がどうこう言うのならば、アメリカが過去にしてきたことをどう判断するのかしら。こんな意見に誰も耳を貸さないでしょう」と撥ねつけた。

 ロシア・オリンピック委員会の名誉会長であるヴィタリ・スミルノフ氏も黙っていない。「馬鹿げたことを言うな! 彼はただの政治家であって、スポーツを政治利用しようとしているだけだ。IOCに対してどんな力があると言うんだ? ウクライナのスポーツ大臣も前に同じようなことを話していたが、何も変わらなかったじゃないか。IOCはまったく取り合わないと思うね」と言い切った。
 

 ロシア連邦議会のスポーツ文化委員会メンバーであるボリス・パイキン氏は「ロシア・スポーツ界への揺さぶりであって、新たな反ロシアの動きを助長する挑発行為だ」とバッサリ。「すべてのアスリートが反ロシアではない。我々はこうした異常なヒステリーに屈服などしないよ。数か月もすれば、ロシアはスポーツ界での立ち位置を取り戻しているはずだ」と説いた。

 さらに、ロシア・フィギュアスケート界の名コーチであるタチアナ・タラソワ氏も言及。こちらは「いったい誰がそんなことを求めているの?」と疑問を投げかけ、「奇妙でしょうがない。あまりにも極端な言い分だわ」と論じている。

構成●THE DIGEST編集部

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