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格闘技・プロレス

“世界最強”カネロの9年ぶりの敗北に世界も驚愕! 母国紙は「ビボルが並外れた試合を見せつけた」と王者を絶賛

THE DIGEST編集部

2022.05.08

ビボルの巧みな試合運びの前に為す術がなかったカネロ。そんな偉才の9年ぶりの敗戦には、各国メディアも驚きを隠さない。(C)Getty Images

ビボルの巧みな試合運びの前に為す術がなかったカネロ。そんな偉才の9年ぶりの敗戦には、各国メディアも驚きを隠さない。(C)Getty Images

 メキシコの英雄は苦戦の末に9年ぶりの黒星を喫した。

 現地時間5月7日にアメリカ・ラスベガスでWBA世界ライトヘビー級タイトルマッチが行なわれ、挑戦者である4団体統一世界スーパーミドル級王者のサウル・アルバレス(メキシコ)が、ドミトリー・ビボル(ロシア)に判定負けを喫した。
【動画】ビボルに対する挑発パフォーマンス! カネロが見せた振る舞いをチェック

 ロシア人王者のクレバーな闘いが勝負を分けた。

 カネロは序盤からガードを固めて相手を引き出し、強烈な右フック、右アッパーで攻める策を講じた。だが、身長で10センチも上回るビボルは“現役最強戦士”の誘いには応じず。リーチを活かした間合いを取りながら、連打を打ち込んでペースを握った。

 中盤5回には、距離を縮められずに溜まりかねたカネロが「もっと来い!」と言わんばかりに右手で手招きして挑発。それでもなお、自分の間合いで冷静に打ち合った31歳のロシア人王者が、手数を落とさずに着実にポイントを稼いでいき、ジャッジ3人が115-113をつける3-0の判定勝ちを収めた。

 下馬評ではカネロに対する評価がずば抜けて高かった一戦。それだけに2013年9月のフロイド・メイウェザー.Jr(米国)戦以来の敗北は、各国メディアで小さくない反響を呼んでいる。

 米メディア『The Athletic』は「見事なアップセットだ。戦前に+400と予想され、完全な“アンダードッグ”だったビボルは全会一致の判定で勝利した。この結果は大きな驚きを招くが、試合内容からすれば、当然だ」とレポート。さらにスペイン紙『AS』のメキシコ版は、「ビボルが並外れた試合を見せつけた」と、防衛に成功した王者を称えた。

「カネロにとって最悪の試合だったが、それはロシア人ファイターが完璧なゲームプランを遂行したからに他ならない。リズムに乗り、ラウンドごとに得点を重ね、カネロに決してチャンスを与えなかったのだ。メキシコの王は、最後まで相手の隙を見出せず、12ラウンドでペースを変えることができなかった」

 今年9月にWBAスーパー&IBF世界ミドル級統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との3度目の対戦が予定されていたカネロ。だが、9年ぶりに喫した衝撃の敗北を受け、プランの再考が求められそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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