ボクシング界きっての悪童は、虎視眈々と"怪物狩り"を狙っている。
現地時間10月1日、メキシコのティファナで行なわれたスーパーバンタム級10回戦で、元世界2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)が、ダビド・カルモナ(メキシコ)に3回KO勝ちを収めた。
地力を発揮した一戦だった。初回から力強いボクシングで主導権を握ったネリは、2回にアッパーと左フックのコンビネーションでダウンを奪うと、続く3回には鋭い左ストレートを炸裂させるなど2度のダウンを奪取。カルモナに反撃の余地を与えない完勝劇で、21年5月のWBA、WBC世界スーパーバンタム級王座統一戦でブランドン・フィゲロア(米国)に敗れてからの2連勝を決めた。
過去にドーピング疑惑や体重超過などの失態を犯してきたネリ。17年と18年には、元WBC世界バンタム級王者の山中慎介(帝拳)に連勝を飾ったが、いまだ"トラブルメーカー"の印象は拭えない。それでも、20年にはWBC世界スーパーバンタム級王座を獲得して2階級制覇を達成するなど、着実に成長は遂げている。
そんななかで、スーパーバンタム級で存在感を強める27歳は、WBAスーパー、IBF、WBC世界バンタム級王者の井上尚弥(大橋)との対戦を望んでいるようだ。メキシコのボクシング専門メディア『IZQUIERDAZO』によれば、カルモナ戦後にネリは挑発的な言動でもって、"モンスター"に牙を剥けた。
「遅かれ早かれあいつは俺の前に姿を見せる必要がある。もう俺から隠れるのはやめにしないといけない」
かつてバンタム級時代のネリは、執拗なまでに井上に対戦を要求。しかし、先述のドーピング疑惑など自身の度重なる"失態"によって実現できていなかった。そうしたなかで、ひとつ上の階級で実績を重ねた"悪童"は、ふたたび「世界最強」の呼び声もあるモンスターとの対戦を匂わせた格好だ。
もっとも、このビッグマッチが実現する可能性は不透明だ。というのも、井上はまだバンタム級のまま。今年12月13日にはWBO同級王者ポール・バトラー(英国)との4団体王座統一戦が予定されているが、"完全統一"後のプランは明確になっていない。
当の井上本人は「年内に(4団体統一戦が)行なえたとしたなら、その先、スーパーバンタム級に上げて挑戦したい」と示唆してはいる。だが、仮にそうなったとしても、いわば"無冠"のネリと対戦する可能性は小さいと見られている。米メディア『Boxing Scene』も「イノウエが将来的に階級を上げた時に、ネリはタイトルを手にしている必要がある」と指摘。そのうえで、WBC、WBO同級王者スティーブン・フルトン(米国)とのタイトルマッチが「現実的だ」とした。
はたして、ネリは悲願の一戦を実現できるのか。井上の動向とともに興味深く見守りたい。
構成●THE DIGEST編集部
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地力を発揮した一戦だった。初回から力強いボクシングで主導権を握ったネリは、2回にアッパーと左フックのコンビネーションでダウンを奪うと、続く3回には鋭い左ストレートを炸裂させるなど2度のダウンを奪取。カルモナに反撃の余地を与えない完勝劇で、21年5月のWBA、WBC世界スーパーバンタム級王座統一戦でブランドン・フィゲロア(米国)に敗れてからの2連勝を決めた。
過去にドーピング疑惑や体重超過などの失態を犯してきたネリ。17年と18年には、元WBC世界バンタム級王者の山中慎介(帝拳)に連勝を飾ったが、いまだ"トラブルメーカー"の印象は拭えない。それでも、20年にはWBC世界スーパーバンタム級王座を獲得して2階級制覇を達成するなど、着実に成長は遂げている。
そんななかで、スーパーバンタム級で存在感を強める27歳は、WBAスーパー、IBF、WBC世界バンタム級王者の井上尚弥(大橋)との対戦を望んでいるようだ。メキシコのボクシング専門メディア『IZQUIERDAZO』によれば、カルモナ戦後にネリは挑発的な言動でもって、"モンスター"に牙を剥けた。
「遅かれ早かれあいつは俺の前に姿を見せる必要がある。もう俺から隠れるのはやめにしないといけない」
かつてバンタム級時代のネリは、執拗なまでに井上に対戦を要求。しかし、先述のドーピング疑惑など自身の度重なる"失態"によって実現できていなかった。そうしたなかで、ひとつ上の階級で実績を重ねた"悪童"は、ふたたび「世界最強」の呼び声もあるモンスターとの対戦を匂わせた格好だ。
もっとも、このビッグマッチが実現する可能性は不透明だ。というのも、井上はまだバンタム級のまま。今年12月13日にはWBO同級王者ポール・バトラー(英国)との4団体王座統一戦が予定されているが、"完全統一"後のプランは明確になっていない。
当の井上本人は「年内に(4団体統一戦が)行なえたとしたなら、その先、スーパーバンタム級に上げて挑戦したい」と示唆してはいる。だが、仮にそうなったとしても、いわば"無冠"のネリと対戦する可能性は小さいと見られている。米メディア『Boxing Scene』も「イノウエが将来的に階級を上げた時に、ネリはタイトルを手にしている必要がある」と指摘。そのうえで、WBC、WBO同級王者スティーブン・フルトン(米国)とのタイトルマッチが「現実的だ」とした。
はたして、ネリは悲願の一戦を実現できるのか。井上の動向とともに興味深く見守りたい。
構成●THE DIGEST編集部
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