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格闘技・プロレス

フィリピン人記者が井上尚弥の“バンタム級統一目前”に無念。カシメロの問題行動を嘆く「イノウエとの差は歴然」

THE DIGEST編集部

2022.08.04

実力はバンタム級でも屈指と評されるカシメロ。それだけに井上との勝負を見たいという声は小さくないが……。(C)Getty Images

実力はバンタム級でも屈指と評されるカシメロ。それだけに井上との勝負を見たいという声は小さくないが……。(C)Getty Images

 日本が世界に誇る“モンスター”にとっての悲願の一戦が近づいている。

 8月2日、ボクシングのWBAスーパー、IBF、WBC世界バンタム級王者の井上尚弥(大橋)が、WOWOWの特番「井上尚弥出演!エキサイトマッチSP『井上尚弥vsノニト・ドネア』第2戦」(8月15日午後9時放送)に出演。収録後に行なわれた取材で、WBO世界同級王者ポール・バトラー(英国)との4団体統一戦に向けたプランを明かした。

 井上は去る6月7日に行なわれた前WBCバンタム級王者ノニト・ドネア(フィリピン)との同級3団体統一戦を、わずか264秒しか要さずTKOで勝利。見事に3団体王者となった。

 自らも「パーフェクトだった」と語るほど手ごたえは十分。そんな“宿敵”との闘いを終え、ついに迎えるのが、バトラーとのバンタム級制覇を懸けた一戦だ。すでに水面下で交渉は進んでおり、井上も「まだ決定にはなっていないですけど、確率的に高いと聞いているので、バトラーの映像を見始めている。もう近々決まるのかなという感じ」と、闘志を覗かせた。

 無論、この一戦は各国メディアも必見の大一番だ。なにせ、米老舗ボクシング誌『The Ring』のパウンド・フォー・パウンドランクで1位となった偉才が階級統一に臨むのである。ファンやメディアが関心を示さないはずがない。

 そうしたなかで、どこか恨めしそうにこのマッチメイクの行方を見守る識者もいる。フィリピンの専門サイト『Phil Boxing』のテオドロ・レイノソ記者は「『モンスター』という異名を持つイノウエは、それに恥じない生き方を歩んでいる」とし、一方で今年4月までWBO同級のベルトを保持していたジョンリエル・カシメロ(フィリピン)を対照的な立場にいる者として、その名を挙げた。
 
 過去4度の同ベルトの防衛を果たしたカシメロにも、複数団体の統一も可能性としてはあった。しかし、当人の相次ぐ問題行動がすべてをぶち壊した。

 昨年12月にはポール・バトラー(英国)との防衛戦を前日計量時にウイルス性胃腸炎を主張して“ドタキャン”。この仕切り直しで行なわれる予定だった今年4月の再戦時には、減量目的によるサウナ使用が発覚。これが会場となった英国のボクシング管理委員会が設ける医療ガイドライン違反に該当し、またも中止に。すると、王者に品格を求めたWBOから正式に王座を剥奪されたのである。

 その後、バトラーが急遽行なわれたジョナス・スルタン(フィリピン)との暫定王者決定戦を制してWBO正規王者となった。

 自業自得とも言えるカシメロ。それだけにレイノソ記者も「もうカシメロがイノウエと闘うためには、得意のトラッシュトークでの挑発や7桁を超えるオファー以外のものが必要になった。ふたりの差はそれほど歴然と開いてしまった」と嘆いた。

「悲しいかなイノウエの次の対戦相手は、バトラーではなくカシメロだった可能性もあった。しかし、サウナ使用によってルールを破った彼に、もはやイノウエは興味すら示さないだろう」

 度重なる問題行動で間違いなく岐路に立たされているカシメロ。彼がいかにしてキャリア再興を図るかは、井上のタイトルマッチの行方の裏で、密かな注目を集めそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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