専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
その他

ロシアで“プロアスリート有志軍”が誕生か。スポーツ界の重鎮たちからは「素晴らしい発想」「非現実的だ」など賛否が分かれる

THE DIGEST編集部

2022.10.12

東京五輪・男子体操で3つのメダルを獲得したナゴルニ。ロシア青少年軍のリーダーを務め、軍事パレードにも参加している。(C)REUTERS/AFLO

東京五輪・男子体操で3つのメダルを獲得したナゴルニ。ロシア青少年軍のリーダーを務め、軍事パレードにも参加している。(C)REUTERS/AFLO

 突然降って湧いたようなニュースに、ロシア・スポーツ界が揺れているようだ。

 現地時間10月11日、ロシア通信社『RIA Novosti』は、泥沼化しているウクライナ侵攻作戦において新たに“プロアスリート有志軍”が創設される可能性について報じた。月曜日に政府機関で話し合いの場が設けられ、モスクワを筆頭に地方単位のスポーツ連盟が中心となって、ボランティアで志願するトップアスリートを募るというのだ。
【画像】ナゴルニの超美人妻スピリドノワも五輪メダリスト! 最新ツーショットをチェック

 さっそくロシア・メディアはスポーツ界の重鎮たちに意見を求めた。元五輪金メダリストやアスリート出身の政治家、さらには各スポーツ連盟トップらで、おおむね支持する声が多いものの、慎重派や懐疑的なコメントを発する者も少なくない。

 元女子フィギュアスケーター(ペア)の五輪金メダリストで、現在はロシア連邦議会で下院議員を務めるイリーナ・ロドリナ氏は「素晴らしい発想ね。すでにある地方ではレスリング選手たちが立ち上がったと聞いているし、そういうアクションを起こす男性は尊敬に値する」と称賛。一方で、「どこまで効果的なのかは分からないわね。ところでこれって承認されたの?」と、スポーツ政治家の先駆けである彼女でさえ、まだ情報を的確に把握できていないようだ。

 同じく下院議員で、元女子スピードスケートの五輪金メダリストであるスベトラーナ・ジュロワ氏は「どこから来た情報かは知らないけど、元格闘家や警察官、国家親衛隊で従事するアスリートたちで編成されれば、きっと強力になる」と関心を寄せ、「こうしたアスリートたちの闘争心は素晴らしく、きっとこの平和維持作戦に役立てるはずだし、訓練もスケーターたちよりは短くて済むでしょう」と持論を展開した。
 

 一方で、懐疑的な意見も当然ある。ロシア・クロスカントリー代表チームのユーリ・ボロダフコ監督は「すべての国民にそれぞれの役割とミッションがある。プロアスリートでボランティア軍を作るなんて初耳だな。軍隊は闘うために存在する組織で、私は現時点で彼らはひっ迫しておらず、十分な戦力があると考えている。アスリートはスポーツで競争するのが仕事だ。いまは、それぞれの仕事に集中するべきだろう」と語るにとどめた。

 ロシア体操の男女代表チームで指揮を執るヴァレンティナ・ロディオネンコ氏も慎重派だ。「初めて聞いた話ね。私たちの元にはなんの情報も入ってきていない」としたうえで、「少し非現実的な印象がある。現役の体操選手はとても若いから……。25歳のニキータ・ナゴルニは元々ロシア軍に籍を置いていて、若い兵士たち(青少年軍)を束ねている立場。では、アルトゥール・ダラロヤンはどうかしら。小さな子どもたちがいるし、いまは家族と離れたくないでしょう。いずれにせよ、志願する選手がいるならばサポートするつもりよ」とコメントした。ナゴルニとダラロヤンは東京五輪・男子体操団体で金メダルを獲得したメンバーだ。

【画像】ロシア・フィギュア界が誇る絶世の美女、アリーナ・ザギトワの厳選フォトをお届け!

【動画】ザギトワが大胆に披露した“限界ギリギリの谷間”はこちら!

【画像】メドベージェワが男性誌表紙を飾った“悩殺赤ビキニ”姿はこちら!
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号