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フィギュア

「盛り上げるための演出さ」皇帝プルシェンコが宿敵ヤグディンに仕掛けた大舌戦を「狙い通りの仕掛けだった」と暴露!

THE DIGEST編集部

2022.10.29

騒動から3週間が経ってからネタをバラしたプルシェンコ氏。どこまでが真実なのか。(C)Russian Look/AFLO

騒動から3週間が経ってからネタをバラしたプルシェンコ氏。どこまでが真実なのか。(C)Russian Look/AFLO

 ロシア・フィギュアスケート界の“皇帝”ことエフゲニー・プルシェンコ氏が、ふたたび波紋を呼ぶ注目発言だ。

 騒動のきっかけとなったのは、ロシア・フィギュアスケート連盟(FFKKR)のアレクサンデル・コーガン氏による一言だった。国内のフィギュアスケート熱を高めるため、コーガン氏は来年3月に対戦形式のアイスショーを企画していると明かし、「ヤグディン対プルシェンコ、あるいはザギトワ対メドベージェワなどが実現するかもしれない。お楽しみに」とコメントしたのである。

 これを受けて39歳プルシェンコ氏は「招待状はもらっていないよ」と前置きしたうえで、現役時代の宿敵である42歳アレクセイ・ヤグディン氏を挑発。「彼(ヤグディン氏)はもうどうやって、どこで滑ればいいかも分かっていないんじゃないか。じっと座ってコメントをしていればいいんだよ」と痛烈な言葉を浴びせたのだ。

 冗談交じりとはいえ、フィギュア関係者からも軽率な発言だと批判的な意見が続出した。するとついにヤグディン氏本人がSNSで応戦。「結果がすべて。真実を語る」と記して、プルシェンコ氏との直接対決で勝ち越している事実をデータ画像で示したのだ。プルシェンコ氏は当然、猛反発。「忘れてないか? ロシア選手権では私のほうが勝ってるだろ。ちゃんと調べてほしいな」とやり返し、一気にまくし立てた。

「君(ヤグディン氏)は残念ながら、過去に生きているってことさ。誰か(自身のこと)はアイス・アリーナを建てて、子どもたちの育成に携わり、すでに15年にも渡ってアイスショーを開催してきたし、いまでも毎日氷上に8時間も立っているんだ。メダルの数では測れないものだよ。毛布を膝にかけて、クロスワードパズルの本でも持参してリンクに来ればいいさ」

 さすがにリスペクトに欠けた物言いだろう。現役時代の度重なる怪我や人工股関節への置換手術などを受けた影響で、ヤグディン氏は昔に比べてリンクから距離を置きがちで、現在はテレビのバラエティー番組で名司会ぶりを披露するなど、エンタメ界に活躍の場を移している。
 

 呆れモードのヤグディン氏だが、反論しないわけにはいかない。「過去に生きてはいない。もっと他のことに関心があるのに、君の攻撃に付き合ったにすぎない」「でも私は君のキャリアを尊重しているよ」「私が早く引退してしまったせいで、長く闘えずに申し訳なかった」など、皮肉を込めつつも大人の対応を見せた。

 そしてプルシェンコ氏が嫌う名コーチ、エテル・トゥトベリーゼ氏を引き合いに出して、痛烈なカウンターパンチをお見舞いした。

「指導者を志しているなら、あれこれ言わずに勝利だけを追い求めたらどうだい。トゥトベリーゼを見習ったほうがいいな! クロスワード好きの私はショーマンだから、たくさんしゃべるけどね」

 話術では一枚も二枚もヤグディン氏が上手だった。あれから3週間、プルシェンコ氏はパンチを打ち返さず、もう終了のゴングは鳴ったと見られていたが……。現地金曜日、地元メディア『RIA Novosti』の取材に応えたプルシェンコ氏が、「あの言い合いは、私が仕掛けた演出だったんだ。狙い通りの仕掛けになったじゃないか」と言い放ったのである。

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