ラグビー

ラグビー日本代表、20日に世界2位フランスと激突! 勝利へのポイントは「攻める意志」を打ち出せるか

向風見也

2022.11.19

7月の国内での対戦では、善戦しながらも敗れた日本。敵地での激突となる今回は果たして……。(C) Getty Images

 約1年後のラグビー・ワールドカップ(W杯)フランス大会に向け、成功体験を積めるか――。2019年の同日本大会で初めて8強入りしたラグビー日本代表は、11月20日、世界ランクで8つ上回る2位のフランス代表とぶつかる。場所は本大会でも試合をするスタジアム・ド・トゥールーズだ。

 この一戦は、今秋のツアー最終戦でもある。ツアーのテーマは「ベースキャンプ」。以前よりも若返ったチームが元来からあるプレースタイルの再現性を高め、かつ勝利を目指してきた。その先に見据えるのが来秋のW杯における2大会連続の決勝トーナメント進出、さらにはそれ以上の結果なのだ。

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 日本代表は10月29日、東京・国立競技場でワールドカップ過去3度優勝のニュージーランド代表(現世界ランク3位)と激突。続く11月12日にはロンドン・トゥイッケナムスタジアムで、フランス大会でも戦うイングランド代表(現世界ランク5位)に挑んだ。

 強豪国との2戦を通じて、「実力を発揮できた時の凄み」と「実力を発揮しづらくなる条件」が見えてきた。

 ニュージーランド代表戦では約6万5000人のファンの前で相手のモール(立ったボール保持者を複数名で塊になって押す動き)を抑え、意図的に大外のスペースを利用して攻め込むことができた。一時は4点差まで迫り、31-38と僅差の勝負に持ち込んだ。

 ところがイングランド代表戦では、序盤から8万人超の観衆がホームの応援歌である「スウィング・ロウ・スウィート・チャリオット」を響かせていた。日本代表は圧倒された。持ち前のパスワーク、ロングキックは、イングランド代表の強烈なタックルと掴み技、鋭い出足にかき乱された。13-52で屈した。

 来るフランス代表戦では、実力を発揮しやすい状況を作り出したい。

 相手は、7月に日本で2連戦をした時よりも、充実した戦力で臨んでくる。スタジアムの収容人数は約3万3000人とトゥイッケナムほどではないが、引き続き日本代表が圧倒的なアウェーに回るのは確かだ。

 イングランド代表戦時と同様に有形、無形の圧力がかかりそうだ。その現実を踏まえて、ニュージーランド代表戦時のように実力を出し切りたい。

 スクラムハーフの齋藤直人が決意する。

「結構、ミスもしているし、イングランド代表戦はああいう結果(大敗)になってしまいましたけど、自分たちの戦術やプランを信じてやり切れば、通用する部分は多いと感じています。練習の段階で想定できる範囲のことを想定して準備することが、本番で(目指すプレーを)やり切れるかどうかに繋がる。その時に(日本代表の)誰が試合に出ているかもわからないので、誰が出ていても同じことができるように、同じ絵が見られているように……」
 
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今ツアーで掲げてきた「2フェーズマインドセット」を肝に銘じて