フランス代表は、自分たちの出来に満足していないだろう。
現地時間11月20日、世界ランクで8つ下回る10位の日本代表を35-17で撃破。約3万人の歓声に包まれたホームのスタジアム・ド・トゥールーズで、テストマッチ13連勝を飾った。
【動画】ラインアウトからの巧みなコンビプレーで追撃のトライ! ただし、ホームチームはスキルや判断の誤りでチャンスを逃したり、ピンチを招いたりもしていた。
前週、マルセイユのオレンジ・ヴェロドローム・スタジアムで南アフリカ代表と激突。フランス代表は、2019年のワールドカップ(W杯)日本大会を制した、この巨躯揃いのチームを相手に30-26で勝利を収めていたのだが、やはり消耗はしていよう。
もちろん日本代表も、タフな状況にあった。
12日、世界ランク5位のイングランド代表に13―52と大敗。敵地トゥイッケナムスタジアムで圧をかけられていた。
来秋のW杯開催国であるフランス代表の苦戦は、手負いの日本代表が怯まなかった証でもあるのだ。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチは前向きに述べた。
「W杯へは、いい方向に行っている」
日本代表は現体制のもと、日本大会で初のW杯8強入り。ウイルス禍の影響で2020年の公的な活動を止めた現実を受け入れ、いま、来秋のW杯フランス大会では再びの決勝トーナメント行きをノルマとしている。
9月上旬からの秋のツアーは「ベースキャンプ」と位置づけた。猛練習や格上との真剣勝負を通し、大会本番で強豪国を倒すためのロードマップの作成、共有を目指した。その締めくくりがフランス代表戦だった。
この試合における収穫は、目指すスタイルの遂行力を高められたことだ。
大敗したイングランド代表戦で苦しんだスクラムは、相手との距離感を修正することなどで崩されにくくした。
攻めては横幅が広く、段差のある陣形を作り、広がった防御網の隙間をラン、長短のパスでえぐるシーンを作った。陣地を問わず攻める計画を遂行し、その流れで後衛の防御が薄いと見れば接点の後ろから鋭いキックを放った。後半23分には、イングランド代表戦では披露しなかったラインアウトからのムーブを決めるなどし、10―28を17―28と詰めた。
何より守っては、相手走者を2人がかりで止め続ける。鋭い出足を保つ。背後を突かれた後のカバーも冴えた。
左プロップの稲垣啓太の弁。
「ラインスピード(相手に向かって飛び掛かる加速力)を上げる。抜かれたら思い切り戻るしかない。ティア1(強豪)は横綱相撲ですが、僕らは僕らの強みを出すためにリスクをとらないといけないと理解しています」
他にも相手ボールのラインアウトでの競り合い、自陣深い位置でのモール(球を持って自立する選手が軸の接点)への防御も際立っていた。
総じて大型選手に対し、組織のまとまりで対抗するのが日本代表だと認識させた。今後は細部のプレーを見つめ直し、目指すスタイルをより得点に結び付けたいところだ。
現地時間11月20日、世界ランクで8つ下回る10位の日本代表を35-17で撃破。約3万人の歓声に包まれたホームのスタジアム・ド・トゥールーズで、テストマッチ13連勝を飾った。
【動画】ラインアウトからの巧みなコンビプレーで追撃のトライ! ただし、ホームチームはスキルや判断の誤りでチャンスを逃したり、ピンチを招いたりもしていた。
前週、マルセイユのオレンジ・ヴェロドローム・スタジアムで南アフリカ代表と激突。フランス代表は、2019年のワールドカップ(W杯)日本大会を制した、この巨躯揃いのチームを相手に30-26で勝利を収めていたのだが、やはり消耗はしていよう。
もちろん日本代表も、タフな状況にあった。
12日、世界ランク5位のイングランド代表に13―52と大敗。敵地トゥイッケナムスタジアムで圧をかけられていた。
来秋のW杯開催国であるフランス代表の苦戦は、手負いの日本代表が怯まなかった証でもあるのだ。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチは前向きに述べた。
「W杯へは、いい方向に行っている」
日本代表は現体制のもと、日本大会で初のW杯8強入り。ウイルス禍の影響で2020年の公的な活動を止めた現実を受け入れ、いま、来秋のW杯フランス大会では再びの決勝トーナメント行きをノルマとしている。
9月上旬からの秋のツアーは「ベースキャンプ」と位置づけた。猛練習や格上との真剣勝負を通し、大会本番で強豪国を倒すためのロードマップの作成、共有を目指した。その締めくくりがフランス代表戦だった。
この試合における収穫は、目指すスタイルの遂行力を高められたことだ。
大敗したイングランド代表戦で苦しんだスクラムは、相手との距離感を修正することなどで崩されにくくした。
攻めては横幅が広く、段差のある陣形を作り、広がった防御網の隙間をラン、長短のパスでえぐるシーンを作った。陣地を問わず攻める計画を遂行し、その流れで後衛の防御が薄いと見れば接点の後ろから鋭いキックを放った。後半23分には、イングランド代表戦では披露しなかったラインアウトからのムーブを決めるなどし、10―28を17―28と詰めた。
何より守っては、相手走者を2人がかりで止め続ける。鋭い出足を保つ。背後を突かれた後のカバーも冴えた。
左プロップの稲垣啓太の弁。
「ラインスピード(相手に向かって飛び掛かる加速力)を上げる。抜かれたら思い切り戻るしかない。ティア1(強豪)は横綱相撲ですが、僕らは僕らの強みを出すためにリスクをとらないといけないと理解しています」
他にも相手ボールのラインアウトでの競り合い、自陣深い位置でのモール(球を持って自立する選手が軸の接点)への防御も際立っていた。
総じて大型選手に対し、組織のまとまりで対抗するのが日本代表だと認識させた。今後は細部のプレーを見つめ直し、目指すスタイルをより得点に結び付けたいところだ。