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ラグビー

強豪フランスにも怯まなかったラグビー日本代表の遂行力! 来年のW杯へ見えてきた課題とは?

向風見也

2022.11.21

 仕組みの上で手応えのあった攻撃では、まず起点にフォーカスする。

 フランス代表戦では前半だけで2回、接点周辺のフォワード陣のユニットで反則を取られた。ボール保持者への援護がわずかに遅れ、強靭な相手のジャッカルで足止めされたのだ。

 これから対戦するどの強豪国も、このように素早い展開を根っこから絶とうとするだろう。対峙するスクラムハーフの流大は言う。
 
「そこ(ボールを動かす前のぶつかり合い)で逃げていてはジャパンのラグビーはできない。ブレイクダウン(接点)は改善が必要です」

 攻防の切り替えを司る、陣地の取り合いも気になるところだ。

 攻守の切り替えを左右する陣地の取り合いでは、最後尾のフルバックに定着した山中亮平が随所に好キックと好ランを披露する。ただし、彼が放つ弾道の飛距離、精度次第で、ボールや捕球役を追う役目の選手たちの列に乱れが生じやすくなっていたようにも感じた。その列の凸凹が、捕球した相手にとっての攻めどころとなった。

 蹴る側、追う側との意思統一は、キックとランのバランスを肝とする現代表の普遍的な検討課題と言える。

 スタンドオフの李承信は前を向く。
「(相手がキック捕球した時などの)ディフェンスのアライメント(繋がり)を整えられたら、もっとプランを遂行できる」

 選手は以後、各所属クラブへ戻る。12月中旬からの国内リーグワンを経て、大会開催年の5月以降から直前の鍛錬期に入る。本大会では今秋、沈められたイングランド代表とも同組とあり、底上げは必須だ。

 日本大会までの日本代表は、大会前年に強豪国に屈しながら大会開催年のキャンプで体力、筋力、さらには選手間の繋がりを再構築。果たして、予選プールを全勝で突破した。

 今回も同じ流れで事を運べるか。元主将でフランカーのリーチ マイケルは実感を込める。

「アウェーの中でも勝たなきゃいけないから、(選手の)日本代表に対しての熱がどれだけ作れるかが大事になる」

 開幕直前までに有形、無形の力をどこまで引き上げられるかで、本番での結果は変わる。

取材・文●向 風見也
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