プロフィギュアスケーター・羽生結弦の単独アイスショー『プロローグ』八戸公演の最終日が5日、青森県のフラット八戸で行なわれた。11月4日に横浜でプロ転向後、初のアイスショーを開催した羽生。青森県で初の公演となった『プロローグ』は、八戸のスケートファンを虜にした。
気温3度。冷たい風が吹き付けるなか、会場は熱気と興奮に包まれた。主催者発表によると、3000人の羽生ファンが訪れ客席は全て満席となった。
披露したプログラムは羽生の名作と言える、珠玉の作品ばかりだった。冒頭は2018年平昌オリンピックのフリーで金メダルを獲得した『SEIMEI』。続いて、津軽三味線の音色にのって、ジュニア時代のエキシビション「CHANGE」を演じた。
観客とのトーク、リクエストコーナーでは2018-19シーズンのショート曲『Otonal』を演じた後、自ら「個人的にどうしても滑りたい」と語った『悲愴』を進行構成を変更してまで演じた。それは、八戸だからこそ演じる意味がある。東北の復興への願いを込めた羽生の拘りだった。
羽生にとってこの日は、嬉しいサプライズもあった。今月7日に28歳の誕生日を迎える羽生を観客が配布されたバングルを使用して色鮮やかな雰囲気を作り誕生日を祝った。これには羽生も「嬉しい」と笑みがこぼれた。
その後はフィギュアスケートを始めて好きになったという楽曲『Sing,Sing,Sing』、大逆転で銅メダルに輝いた2012年世界選手権のフリー曲『ロミオ+ジュリエット』、幻想的なプロジェクションマッピングを氷上で表現した「いつか終わる夢」、2月の北京オリンピックのエキシビション曲「春よ、来い」、ソチオリンピックのショート曲「パリの散歩道」と、約90分間を一人で滑り切った。
全てのプログラム終了後、羽生は涙をためながら詰めかけたファンに向け感謝を述べた。
「ハッピーバースデーソングありがとうございました。アマチュアで終わっていたら、こんな景色は見れなかった。これ以上ないくらい報われています。始まりは終わりの始まり。終わりは始まりの始まりだと思っています。これから未だ見ぬ本編に向かってご期待ください。それでは序章を終わりにします。ありがとうございましたー!」
羽生が感謝の口上を叫ぶと、会場は暗転。するとスクリーンには、『2023.2.26』と表示され、次に『東京ドーム』の文字が。なんと次回公演告知がサプライズ発表された。これに観客は大いに沸き、歓喜の声が上がった。タイトルは『GIFT』。東京ドームでのアイスショー開催は史上初で、まさに異例とも言える大舞台だ。前人未踏のなか、プロスケーター・羽生結弦の物語はまだまだ続く。
「僕自身初めて言葉を綴って物語を作りました。その物語の中にあるプログラムたちが、皆様へのギフト、贈り物となって届きますよう、願いを込めて滑らせていただきます」
羽生は『プロローグ』の千秋楽で、支えたファンへ最高の贈り物をプレゼントした。それは、プロスケーターとして物語の序章が大成功し、第2章へ新たなスタートに向かうことを意味するだろう。
取材・文●湯川 泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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気温3度。冷たい風が吹き付けるなか、会場は熱気と興奮に包まれた。主催者発表によると、3000人の羽生ファンが訪れ客席は全て満席となった。
披露したプログラムは羽生の名作と言える、珠玉の作品ばかりだった。冒頭は2018年平昌オリンピックのフリーで金メダルを獲得した『SEIMEI』。続いて、津軽三味線の音色にのって、ジュニア時代のエキシビション「CHANGE」を演じた。
観客とのトーク、リクエストコーナーでは2018-19シーズンのショート曲『Otonal』を演じた後、自ら「個人的にどうしても滑りたい」と語った『悲愴』を進行構成を変更してまで演じた。それは、八戸だからこそ演じる意味がある。東北の復興への願いを込めた羽生の拘りだった。
羽生にとってこの日は、嬉しいサプライズもあった。今月7日に28歳の誕生日を迎える羽生を観客が配布されたバングルを使用して色鮮やかな雰囲気を作り誕生日を祝った。これには羽生も「嬉しい」と笑みがこぼれた。
その後はフィギュアスケートを始めて好きになったという楽曲『Sing,Sing,Sing』、大逆転で銅メダルに輝いた2012年世界選手権のフリー曲『ロミオ+ジュリエット』、幻想的なプロジェクションマッピングを氷上で表現した「いつか終わる夢」、2月の北京オリンピックのエキシビション曲「春よ、来い」、ソチオリンピックのショート曲「パリの散歩道」と、約90分間を一人で滑り切った。
全てのプログラム終了後、羽生は涙をためながら詰めかけたファンに向け感謝を述べた。
「ハッピーバースデーソングありがとうございました。アマチュアで終わっていたら、こんな景色は見れなかった。これ以上ないくらい報われています。始まりは終わりの始まり。終わりは始まりの始まりだと思っています。これから未だ見ぬ本編に向かってご期待ください。それでは序章を終わりにします。ありがとうございましたー!」
羽生が感謝の口上を叫ぶと、会場は暗転。するとスクリーンには、『2023.2.26』と表示され、次に『東京ドーム』の文字が。なんと次回公演告知がサプライズ発表された。これに観客は大いに沸き、歓喜の声が上がった。タイトルは『GIFT』。東京ドームでのアイスショー開催は史上初で、まさに異例とも言える大舞台だ。前人未踏のなか、プロスケーター・羽生結弦の物語はまだまだ続く。
「僕自身初めて言葉を綴って物語を作りました。その物語の中にあるプログラムたちが、皆様へのギフト、贈り物となって届きますよう、願いを込めて滑らせていただきます」
羽生は『プロローグ』の千秋楽で、支えたファンへ最高の贈り物をプレゼントした。それは、プロスケーターとして物語の序章が大成功し、第2章へ新たなスタートに向かうことを意味するだろう。
取材・文●湯川 泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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