またしても“モンスター”が大舞台で格の違いを見せつけた。

　12月13日、ボクシングWBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥（大橋）は、東京・有明アリーナでWBO同級王者ポール・バトラー（英国）との４団体統一戦に臨み、11回KO勝ち。ちなみに完全統一を果たすのは、日本人、アジア人としては初、そして世界で見ても史上９人目の快挙だ。

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　終始試合をコントロールしていた印象の井上。中盤からは、幾度となくノーガードの挑発も見せていたが、カウンターを警戒するバトラーは、なかなか誘いに乗らない。判定まで持ち込まれるかと思われた11回には、強烈なボディからロープ際で怒涛のラッシュを炸裂させ、防戦一方の相手をついに打ち崩してみせた。

　圧倒的な手数の差は、試合のスタッツからも見てとれる。ボクシングのあらゆる数字を扱う米サイト『CompuBox』のツイッターによると、665発のパンチを放った井上がヒットさせたのは、なんと151発、そのうちボディが59発とのこと。対するバトラーは301発中、着弾したのがわずか38発、そのうちボディが22発だ。
  　こうした統計を踏まえた同サイトは、「モンスターによる一方的な攻撃だった」と内容を総括した上で、「着弾した151発のうち、36％がパワーパンチ、59発がボディショットだ」と説明。一方、完敗したバトラーのデータに関しては、「最小限の攻撃しか繰り出せず、着弾したのは各ラウンド一桁、全体で38発だった」とも伝えている。

　ついにバンタム級で“最強”の称号を手にした井上。勝利後には、「４団体統一を成し遂げた今、スーパーバンタム級への転向を考えています」と宣言していたが、果たして次の階級では、どのような景色を見せてくれるのだろうか――。

構成●THE DIGEST編集部

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