専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
その他

「かなりショックだった」伝説戦士ホワイトが物議を醸した平野歩夢のジャッジに持論「本当に凄いトリックなんだよ」/北京五輪【2022名場面・珍場面】

THE DIGEST編集部

2022.12.16

平野が見せた会心の滑り。世界を賑わせたライディングにホワイトも絶賛した。(C)Getty Images

平野が見せた会心の滑り。世界を賑わせたライディングにホワイトも絶賛した。(C)Getty Images

 2022年のスポーツ界で印象的な出来事を『THE DIGEST』のヒット記事で振り返る当企画。今回は、北京五輪のスノーボード男子ハーフパイプ決勝で金メダルに輝いた平野歩夢の2本目の試技を取り上げる。“史上最高難度”と言われる大技成功に会場は歓喜に沸いたが、平野の得点は伸び悩んだ。物議を醸した採点に、スノーボード界のレジェンドは持論を呈した。

掲載:2022年2月18日
【北京五輪PHOTO】超大技「トリプルコーク1440」を完璧に決めた!スノーボード男子ハーフパイプで悲願の金メダル獲得の平野歩夢!
――◆――◆――

 物議を醸したジャッジに“レジェンド”も複雑な胸の内を明かした。

 事の発端は、2月11日に行なわれた北京五輪のスノーボード男子ハーフパイプ決勝で、見事に金メダルに輝いた平野歩夢の2本目の試技だ。

 王者となった男が見せたのは、五輪初の大技「トリプルコーク1440」(斜め軸に縦3回転・横4回転)を組み込んだ“史上最高難度”と言われるルーティーン。これを軽やかにライディングした23歳の若武者のパフォーマンスに、会場も大いに沸いた。しかし、注目を集めた得点は91.75点と伸び悩んだのである。

 他でもない本人が「納得いっていなかった」と吐露した採点には、メディアや識者も異論を唱えた。米放送局『NBC Sports』で解説を務めていたスノーボード界の重鎮であるトッド・リチャーズは「茶番だよ。正直言って腹が立つね」と中継中に猛烈な批判を展開して小さくない話題となった。

 では、同じ競技に参加していたレジェンドは、平野の滑りをどう見ていたのか。現地時間2月17日に米放送局『NBC Sports』の取材に応じたショーン・ホワイトは、「難しいとは思う。これは採点競技だから、あらゆる決定は審判にゆだねられるからね」と語ったうえで、持論を披露した。

「アユムが見せたあのランは、今までに誰もやったことがないものだった。あれでトップになれなかったのは、かなりショックだったね。少なくとも僕はあのランは1位に値すると思ったから」
 
 率直な意見を口にした35歳のレジェンドは、さらに「彼は真のファイターだった」と続けた。

「トリプルコークって本当に多くの回転と捻りが必要な凄いトリックなんだよ。彼はそれをラストランも含めて3回も決めて、最終的に優勝した。これは素晴らしいことだ。デジャブを見ているようだったね。前回のオリンピックでは、彼が僕のランを下から見ていて、僕が上回った。でも、今回は彼が降りてきて、逆転で金メダルを獲ったんだ。僕は見ていて感動した。もちろん、審判を妬んだりはしないよ。大変な仕事だと思うからね(笑)」

 3度の金メダルを手にした偉才をして、ここまで熱くさせる。やはり平野のライディングは、称賛に値するものだと言えそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

【PHOTO】北京オリンピックで輝いた「日本人メダリスト」を一挙紹介!

【関連記事】「これは完全に茶番だ」平野歩夢を襲った“まさかの低得点”が物議! 米記者はジャッジに怒り「恥を知れ。バカバカしい」

【北京五輪PHOTO】羽生、高梨、高木姉妹、平野ら北京五輪でのメダル獲得が期待される日本人選手を厳選して紹介

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号