2022年のスポーツ界で印象的な出来事を『THE DIGEST』のヒット記事で振り返る当企画。今回は、北京五輪のスノーボード男子ハーフパイプ決勝で金メダルに輝いた平野歩夢の2本目の試技を取り上げる。"史上最高難度"と言われる大技成功に会場は歓喜に沸いたが、平野の得点は伸び悩んだ。物議を醸した採点に、スノーボード界のレジェンドは持論を呈した。
掲載:2022年2月18日
【北京五輪PHOTO】超大技「トリプルコーク1440」を完璧に決めた!スノーボード男子ハーフパイプで悲願の金メダル獲得の平野歩夢!
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物議を醸したジャッジに"レジェンド"も複雑な胸の内を明かした。
事の発端は、2月11日に行なわれた北京五輪のスノーボード男子ハーフパイプ決勝で、見事に金メダルに輝いた平野歩夢の2本目の試技だ。
王者となった男が見せたのは、五輪初の大技「トリプルコーク1440」(斜め軸に縦3回転・横4回転)を組み込んだ"史上最高難度"と言われるルーティーン。これを軽やかにライディングした23歳の若武者のパフォーマンスに、会場も大いに沸いた。しかし、注目を集めた得点は91.75点と伸び悩んだのである。
他でもない本人が「納得いっていなかった」と吐露した採点には、メディアや識者も異論を唱えた。米放送局『NBC Sports』で解説を務めていたスノーボード界の重鎮であるトッド・リチャーズは「茶番だよ。正直言って腹が立つね」と中継中に猛烈な批判を展開して小さくない話題となった。
では、同じ競技に参加していたレジェンドは、平野の滑りをどう見ていたのか。現地時間2月17日に米放送局『NBC Sports』の取材に応じたショーン・ホワイトは、「難しいとは思う。これは採点競技だから、あらゆる決定は審判にゆだねられるからね」と語ったうえで、持論を披露した。
「アユムが見せたあのランは、今までに誰もやったことがないものだった。あれでトップになれなかったのは、かなりショックだったね。少なくとも僕はあのランは1位に値すると思ったから」
率直な意見を口にした35歳のレジェンドは、さらに「彼は真のファイターだった」と続けた。
「トリプルコークって本当に多くの回転と捻りが必要な凄いトリックなんだよ。彼はそれをラストランも含めて3回も決めて、最終的に優勝した。これは素晴らしいことだ。デジャブを見ているようだったね。前回のオリンピックでは、彼が僕のランを下から見ていて、僕が上回った。でも、今回は彼が降りてきて、逆転で金メダルを獲ったんだ。僕は見ていて感動した。もちろん、審判を妬んだりはしないよ。大変な仕事だと思うからね(笑)」
3度の金メダルを手にした偉才をして、ここまで熱くさせる。やはり平野のライディングは、称賛に値するものだと言えそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
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物議を醸したジャッジに"レジェンド"も複雑な胸の内を明かした。
事の発端は、2月11日に行なわれた北京五輪のスノーボード男子ハーフパイプ決勝で、見事に金メダルに輝いた平野歩夢の2本目の試技だ。
王者となった男が見せたのは、五輪初の大技「トリプルコーク1440」(斜め軸に縦3回転・横4回転)を組み込んだ"史上最高難度"と言われるルーティーン。これを軽やかにライディングした23歳の若武者のパフォーマンスに、会場も大いに沸いた。しかし、注目を集めた得点は91.75点と伸び悩んだのである。
他でもない本人が「納得いっていなかった」と吐露した採点には、メディアや識者も異論を唱えた。米放送局『NBC Sports』で解説を務めていたスノーボード界の重鎮であるトッド・リチャーズは「茶番だよ。正直言って腹が立つね」と中継中に猛烈な批判を展開して小さくない話題となった。
では、同じ競技に参加していたレジェンドは、平野の滑りをどう見ていたのか。現地時間2月17日に米放送局『NBC Sports』の取材に応じたショーン・ホワイトは、「難しいとは思う。これは採点競技だから、あらゆる決定は審判にゆだねられるからね」と語ったうえで、持論を披露した。
「アユムが見せたあのランは、今までに誰もやったことがないものだった。あれでトップになれなかったのは、かなりショックだったね。少なくとも僕はあのランは1位に値すると思ったから」
率直な意見を口にした35歳のレジェンドは、さらに「彼は真のファイターだった」と続けた。
「トリプルコークって本当に多くの回転と捻りが必要な凄いトリックなんだよ。彼はそれをラストランも含めて3回も決めて、最終的に優勝した。これは素晴らしいことだ。デジャブを見ているようだったね。前回のオリンピックでは、彼が僕のランを下から見ていて、僕が上回った。でも、今回は彼が降りてきて、逆転で金メダルを獲ったんだ。僕は見ていて感動した。もちろん、審判を妬んだりはしないよ。大変な仕事だと思うからね(笑)」
3度の金メダルを手にした偉才をして、ここまで熱くさせる。やはり平野のライディングは、称賛に値するものだと言えそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
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