12月25日、フィギュアスケート全日本選手権の男子フリーが行なわれ、ショート首位の宇野昌磨が3年ぶり5度目の全日本優勝を飾った。フリー191.28点、合計291.73点で2位に39.17点差を付け、全日本王者の称号を奪還した。2位には252.56点で島田高志郎、3位には250.84点で友野一希が入った。
【動画】3年ぶり5度目の全日本V!宇野昌磨のFSノーカット演技はこちら
4種類5本の4回転ジャンプを組み込んだ高難度構成で臨んだ宇野は、最終滑走で登場。張り詰めた緊張感のなか、静寂に包まれた会場にゆったりと優雅なテンポ感ある『G線上のアリア』が流れた。
冒頭は4回転ループ。宇野はしなやかなスケーティングから鋭い回転でクリーンに着氷。GOE(技の出来栄え点)は『3.75』と高い加点が付いた。続く2本目は4回転サルコウ。当日朝の公式練習ではミスなく高い成功率を誇っていたが、「練習ではできているけど、失敗の可能性もある」と話したことが的中。2回転になってしまう。
その後も悪い流れは続き、3本目の4回転フリップは転倒。公式練習や6分間の直前練習では4回転ジャンプを完璧に着氷していただけに、暗雲が漂う。
だがしかし、世界王者はそのまま崩れはしなかった。トリプルアクセルでリズムを取り戻すと、後半の4回転トゥループ+3回転トゥループは降り、単独の予定だった4回転トゥループに2回転トウループをつけてコンビネーションに切り替えたのである。
「4回転フリップは自分の失敗。失敗した分、後半に頑張りたいと思ったし、失敗したからいつもできないことをやりたい」
そう話した宇野が繰り出した最後のジャンプは、トリプルアクセルにダブルアクセルを2本つけたシークェンス。これで加点を伸ばした。
演技後は苦笑いを浮かべた宇野だが、パーフェクトとはいかないまでも、世界王者たる高いレベルで終えた。会場に詰めかけた5835人の観客も大きな拍手を送り、ステファン・ランビエールコーチはリンクサイドに戻ってきた宇野を「グッドトライ」と称えた。
「優勝できたのは嬉しいです。前半ミスしたけど、後半に頑張ろうと思いました。まだまだ成長したいですし、今日の構成はまた一歩、難易度を高めた構成にしたいですし、試したいです。今後のレベルアップにつながるいい試合でした」
宇野は全日本優勝により、来年3月に日本で開催される世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)の代表選考基準を満たし、出場権の切符を手にした。昨シーズン、6度目の挑戦で初めて世界王者に輝いた宇野は、大舞台を日本のエースとして迎え、世界選手権2連覇を懸ける。
名実ともに男子フィギュア界を牽引するエースの一挙手一投足に、今後も目が離せない。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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冒頭は4回転ループ。宇野はしなやかなスケーティングから鋭い回転でクリーンに着氷。GOE(技の出来栄え点)は『3.75』と高い加点が付いた。続く2本目は4回転サルコウ。当日朝の公式練習ではミスなく高い成功率を誇っていたが、「練習ではできているけど、失敗の可能性もある」と話したことが的中。2回転になってしまう。
その後も悪い流れは続き、3本目の4回転フリップは転倒。公式練習や6分間の直前練習では4回転ジャンプを完璧に着氷していただけに、暗雲が漂う。
だがしかし、世界王者はそのまま崩れはしなかった。トリプルアクセルでリズムを取り戻すと、後半の4回転トゥループ+3回転トゥループは降り、単独の予定だった4回転トゥループに2回転トウループをつけてコンビネーションに切り替えたのである。
「4回転フリップは自分の失敗。失敗した分、後半に頑張りたいと思ったし、失敗したからいつもできないことをやりたい」
そう話した宇野が繰り出した最後のジャンプは、トリプルアクセルにダブルアクセルを2本つけたシークェンス。これで加点を伸ばした。
演技後は苦笑いを浮かべた宇野だが、パーフェクトとはいかないまでも、世界王者たる高いレベルで終えた。会場に詰めかけた5835人の観客も大きな拍手を送り、ステファン・ランビエールコーチはリンクサイドに戻ってきた宇野を「グッドトライ」と称えた。
「優勝できたのは嬉しいです。前半ミスしたけど、後半に頑張ろうと思いました。まだまだ成長したいですし、今日の構成はまた一歩、難易度を高めた構成にしたいですし、試したいです。今後のレベルアップにつながるいい試合でした」
宇野は全日本優勝により、来年3月に日本で開催される世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)の代表選考基準を満たし、出場権の切符を手にした。昨シーズン、6度目の挑戦で初めて世界王者に輝いた宇野は、大舞台を日本のエースとして迎え、世界選手権2連覇を懸ける。
名実ともに男子フィギュア界を牽引するエースの一挙手一投足に、今後も目が離せない。
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