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格闘技・プロレス

「イノウエに何の問題も抱いてない」アフマダリエフ陣営が語った井上尚弥との大一番実現のカギは?「どこでもやる準備はある」

THE DIGEST編集部

2023.02.11

バンタム級で声価を高め、世界的な地位を確立した井上(左)。この猛者との闘いを狙うのが、ウズベキスタンの怪物アフマダリエフ(右)だ。写真:AP/アフロ、(C)Getty Images

バンタム級で声価を高め、世界的な地位を確立した井上(左)。この猛者との闘いを狙うのが、ウズベキスタンの怪物アフマダリエフ(右)だ。写真:AP/アフロ、(C)Getty Images

「ベルトというのは宝物だけど、執着することはなく次に進みたい。バンタム級でやり残したことはないし、戦いたい相手もいない。ここから先が本当の闘いになる」

 そう意気込んでスーパーバンタム級での挑戦を決意した“モンスター”こと井上尚弥(大橋)を標的にする戦士たちは少なくない。IBF&WBAスーパー世界同級王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)もそのうちの一人だ。

 キャリア戦績は無敗だが、試合数は「11」と決して多くはないアフマダリエフ。しかし、リオ・デ・ジャネイロ五輪で金メダルを獲得した逸材は2018年にプロ転向を果たしたばかりで、KO数も「8」と高い割合を誇っている。

 わずか5年で2本のベルトを勝ち取った猛者は、当然、2階級での4団体統一を目指す井上にとっては避けては通れない相手だ。そうしたなかで敵陣営も日本が世界に誇る怪物ファイターに興味津々なようだ。

 米ボクシング専門サイト『Boxing Scene』の取材に応じた英プロモート会社『Matchroom Boxing』のエディ・ハーンCEOは、自身の顧客でもあるアフマダリエフの今後について「イノウエとの試合は我々にとって何の問題もないよ。100%だ」と断言。そして、目下、井上との対戦が囁かれているWBC&WBO世界同級王者スティーブン・フルトン(米国)についても言及しつつ、次のように自らの考えを披露した。
 
「もしも、フルトンとイノウエが先に動いてなかったのなら、我々はイノウエとアフマダリエフをすぐにでも闘わせていたと思う。もちろん、フルトンvsイノウエが先に行われるのであれば、それはそれでいい。イノウエとアフマダリエフの統一戦は問題なく開催する」

 いかなる場合においても、稀代のハードパンチャーである井上との対戦は実現させると明言したハーン氏。ボクシング界の酸いも甘いも熟知する名プロモーターは、「我々はどこでも闘う準備ができている。最も適切な額のカネが払われたところにいく」と、試合に向けたリアルな側面も明らかにした。

「イノウエは素晴らしい選手だと思う。階級を上げること以外で彼が負けることはない。ロマチェンコのような選手だ。だが、アラムはイノウエを『ESPN』から離したがらないだろうね。我々は十分な金額を払ってくれれば、ESPNで放送されても問題ない。

 アフマダリエフはスターなんだ。でも、DAZNにとっては大スターではない。カネロ・アルバレスではないからね。最も重要なのはアフマダリエフが幸せなことだ。それにはしっかりと対価を得られることが一つの条件でもある。もちろん彼自身はイノウエとの対戦に何の問題も抱いてないはずだ。実現できれば、素晴らしい試合になるだろう」

 フルトンと並び、スーパーバンタム級の2大王者の一人として君臨するアフマダリエフ。中央アジアを代表する偉才が、東洋の島国で虎視眈々とベルトを狙う怪物と激突する日は訪れるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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