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「病んだ連中ね!」「政治的圧力だ」ワリエワを巡るドーピング問題でISUもCAS提訴→ロシア側の五輪金メダリストらが猛反発!

THE DIGEST編集部

2023.02.23

ワリエワのドーピング疑惑が発覚して早一年。いまだ事態は収束を見ていない。(C)Getty Images

ワリエワのドーピング疑惑が発覚して早一年。いまだ事態は収束を見ていない。(C)Getty Images

 いったいどれだけ時間を費やせば収束され、日本代表チームにメダルが授与されるのか。カミラ・ワリエワを巡るドーピング問題が、ようやく新たな展開を見せている。
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 今年1月、北京五輪開催中に発覚したワリエワのドーピング疑惑に関して、独自の調査を続けてきたRUSADA(ロシア反ドーピング機関)が声明を発表。ワリエワ個人に「責任や過失はない」と結論づけ、禁止薬物の陽性反応が出た2021年12月のロシア選手権の結果のみを失格とし、そのほかについては罪を問わない旨を明かした。

 これを不服としたのが、WADA(世界反ドーピング機関)だ。2月21日になって「規定にそぐわない誤った判断だ」と糾弾。ワリエワに対して、サンプルが採取された2021年12月25日から4年間の資格停止処分を求め、その期間におけるすべての結果を失格とするように訴えた。

 さらに翌22日には、ISU(国際スケート連盟)もWADAの決定に追随する。「すべての若いアスリートはドーピングから保護されるべきだが、それは制裁の免除によって実現されるものではない」とし、WADAと同様のペナルティを科すようにCASへ提訴した。

 一連の流れを受けて、当然のごとく反発しているのがロシア側だ。

 フィギュアスケート界のご意見番で名コーチのタチアナ・タラソワ氏は、「いったいいつ終わるのよ、これは! 4年間の資格停止なんて、WADAも酷く不公平な要求をするものね。誰が見ても世界最高のスケーターをいつまでいたぶれば気が済むのかしら。まったく病んだ連中だわ!」とまくし立て、「どうしてもカミラを排除したいのよ。なぜなら彼女がベストだと分かっているから。(ロシア国内の)あらゆる力を結集して抗わなければいけない」と提唱した。

 元女子フィギュアスケーター(ペア)の五輪金メダリストで、現在はロシア連邦議会で下院議員を務めるイリーナ・ロドリナ氏は「政治的圧力ね」とバッサリ。「この問題は不十分な仕事をしたRUSADAのミスであり、私たちが国内で解決すべき問題」との見解を示した。

 同じく下院議員で、元女子スピードスケートの五輪金メダリストであるスベトラーナ・ジュロワ氏は「こうした状況下にあって、アスリートに罪を問うべきではない。過去の例を見ても明らかで、何かしらのメカニズムが働いているとしか思えない」と疑問を投げかけ、「我々の代表チームが団体トップ(優勝)から脱落するなどあってはならない」と断じた。

 こうしたコメントを紹介したスポーツメディア『Sport24』は、スポーツ分野を専門とする弁護士を取材し、「もしCASがワリエワを有罪とジャッジしても、スイス最高裁判所に上告する手段がある」との意見も掲載。暗に、審理は長丁場になることを示唆している。
 
 ワリエワの資格停止期間はさておき、やはり最大の関心は、北京五輪・フィギュアスケート団体の最終順位がいつ確定するかだ。ワリエワの結果が無効となれば、ROC(ロシア・オリンピック委員会)の優勝は消え、2位のアメリカ、3位の日本、そして4位のカナダの順位がそれぞれ繰り上がり、メダルの色も変わってくる。

 現時点で、選手たちはメダルを授与されていない。IOC(国際オリンピック委員会)とISUはドーピング問題の結論が出てからと定めているが、大会からちょうど1年が経過するなか、各国からは早期解決を望む声がいっそう高まっている。

構成●THE DIGEST編集部

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