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バレーボール

大阪府バレー協会の会長ら、役員改選で続投辞退。人事案提案せず、最悪の事態は回避

北野正樹

2023.03.17

OVAへの税理士派遣などを明かした川合俊一会長。写真:北野正樹

OVAへの税理士派遣などを明かした川合俊一会長。写真:北野正樹

 会計担当理事が協会資金2579万円を着服していた大阪府バレーボール協会(OVA、小比賀恵一会長)の理事会が16日夜、大阪市内で開かれ、新年度からの会長に選出されていた小比賀恵一会長、副会長候補の林義治理事長が辞退し、人事案が提案されなかったことが関係者の話でわかった。不祥事の責任問題より法人化に向けた組織の継続性を優先した人事案が、日本バレーボール協会(JVA)を含め社会の理解を得られないと判断したものとみられる。
 

 関係者によると理事会の冒頭で、小比賀会長と林理事長が「企画調整委員会」から選出され内諾していた続投を辞退したことを明かした。小比賀会長は「JVA、OVAに対し責任を感じる」と辞退理由を述べたという。このため人事案の提案は行われず、次期理事長、副理事長候補が報告された。小比賀会長は15日夕までは続投の意向を示しており、林理事長から「(人事案に関し)内部から情報発信があったことは残念」という発言があったということから、16日朝の続投報道で方針転換をしたものとみられる。

 大阪協会関係者は「この段階で受けないのなら、最初から辞退しておくべきだった。(役員を選出する)企画調整委員会も熟慮してほしかった」と残念がる。

 今回の役員改選では、OVAに組織の刷新を求めていたJVAが事前に情報を入手。会長らの続投に憂慮し、経過の報告を求めていた。

 しかし、JVAにOVAを指揮する権限はなく「私が決めていいのなら決めるが、直接介入する権限がない」(川合俊一会長)と、関係者に懸念を伝える程度にとどまっていた。

 16日、OVAの理事会開催時間とほぼ同時刻にオンライン会見したJVAの川合会長は、「OVA理事会の決定が今の段階では分からないが、辞任した方が続投するのは、誰が見てもおかしい。たくさんのファンやスポンサー、クライアントがいるスポーツ界も〝見え方〟も大事」と、OVAに対し婉曲に見直しを要望。
 また「理事会で決定後、代議員会での承認が必要なので、代議員の判断を注視したい」と語った。
 
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