東京五輪で金、銀、銅のメダル3つを獲得した日本の卓球女子のエース、伊藤美誠（スターツ）が５月６日、７日に行なわれた『第４回パリ五輪日本代表選考会』で16強敗退と悲惨な結果となり、パリ五輪出場に暗雲が立ち込めている。

　来年のオリンピック女子シングルスは２枠。８日に発表された最新ランキングでは早田ひな（日本生命）が332.5ポイントで首位に立ち、２位平野美宇（木下グループ）との差は125.5ポイントと独走態勢を築いている。２回戦で長崎美袖（木下グループ）に敗れた伊藤は、20ポイントの獲得に留まり７位に転落。平野から伊藤まで51.5ポイント内に６人がひしめき合う混戦模様となっている。

　世界ランキングでは日本人トップの７位に位置する22歳が、五輪出場権を巡り苦戦する姿に中国メディア『捜狐』は、「ミマ・イトウはパリ五輪に出場出来ない可能性も高い」と驚きを隠せない。

　同記事では、「昨年イトウは中国卓球を攻略することに集中していた。彼女が中国選手と対戦するたびに多くの話題を呼び、ファンを熱くした。だが彼女はそう簡単に“対処”できなかった」と自慢げに綴り、日本のエースの現状を以下のように記した。

「現在のミマ・イトウの競技成績を見るかぎり、国際試合ではほとんど勝ち目がなく、国内大会ではアドバンテージはなくなっている。日本はイトウを諦め、ヒナ・ハヤタと有望なミワ・ハリモトに頼る可能性がある」
  　そして「ポイントランキングからも内部関係者からもライバルから遅れをとっている。世界選手権で“藁にもすがる思い”で戦わないといけない。もし不発に終われば、来年の五輪で彼女を見ることはないだろう」と展望する。

　選考レースで大きく出遅れた伊藤。５月20日に開幕する世界選手権で既に代表に選ばれており、これで優勝すれば200ポイント、準優勝なら160ポイント、ベスト４なら120ポイントとライバルと差を詰めるチャンスである。はたして五輪のメダリストは、活路を見出だせるだろうか……。

構成●THE DIGEST編集部

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