「ほんとに悲しいですね」
バレーボールの2022-23年シーズンを締めくくる「黒鷲旗全日本選抜男女選手権」(5月1~6日、丸善インテック大阪)の会場で、元日本代表主将でパナソニックの清水邦広(36)が声を絞り出した。
スポーツ界で相次ぐ指導者による体罰・暴力問題。バレーでは今年に入り、2月に千葉県内の名門と呼ばれる高校の男子バレー部の顧問が、選手の顔にボールをぶつけたり髪をつかんで引きずったりするなどの暴行容疑で千葉県警に逮捕されたほか、3月には全国大会出場経験もある山梨県の私立高校監督が部員の頬を平手打ちしていたことから解任された。また、神奈川県の県立高校女子バレー部で顧問による体罰情報が明るみに。
さらに、4月12日には日本バレーボール協会(JVA)の日本代表などの強化を担当する男子強化委員が、監督を務める大学の男子バレー部員に体罰を行っていた疑いが表面化し、同日に辞任する出来事もあった。
「川合さんも言っておられましたが、バレーはミスが目立つ競技。最後にスパイクを決めたとしても、レシーバーのミスで終わってしまうのがバレーなのです」と、川合俊一日本バレーボール協会会長の記者会見での言葉を受けてバレーに体罰・暴力が起きやすい理由を説明した清水。
記者会見で川合会長は、「ミスを腹立たしいと思うから暴言を吐きやすくなる。指導者に人間力がなければ指導できない。人間力アップなど根本的な部分から徹底的に直していかなければならない」と嘆いたのだが、清水が指導者に求めたのは、意識の改革だ。
「外国人監督と一緒にやっていると感じるのが、長所を伸ばす指導です。ミスをしても『今のはよかったね』と、プレーのいいところをほめてくれるんです。日本の指導者も、長所を伸ばす指導をしてほしいですね。それをもっともっと、スタンダードに出来ていけば体罰や暴力は減っていくと思います」
清水が現状を憂うのは、バレーの普及に強い思いがあるからだ。
2007年に日本代表に初選出されて以来、2021年の東京五輪まで約15年間、エースとしてチームを牽引してきた清水の原点は、2008年の北京五輪だ。大学4年で五輪に初出場したが、チームは全敗。12年のロンドン、16年のリオデジャネイロ両五輪は出場も叶わず男子バレーは低迷した。
今でこそ、石川祐希や高橋藍が海外リーグで活躍し、海外を経験した柳田将洋や西田有志らが人気、実力両面で男子バレーを盛り上げているが、清水は低迷の責任を背負い続けてきた。
それだけに、バレー人気を高めることには貪欲に取り組む。
パナソニックパンサーズのチームのSNSで笑いを誘う演出にも積極的に参加。7月2日には吉本興業とコラボし「もじゃ吉田の新喜劇どうでしょう? inなんばグランド花月」withパナソニックパンサーズに、セッターの深津英臣、MB兒玉康成らと出演することが決まっている。
東京五輪を最後に、代表を〝引退〟したものの、現役は続行。人気、実力ともにあり第一線で活躍し続けているが、お笑いにまで〝進出〟するのは、バレーボールの魅力を知ってもらい、競技の普及につなげたい思いからだ。
「食卓で、プロ野球の試合が話題になるように、バレーの話も出るようなる」のが夢。そのため「バレーに関心を持ってもらえるなら、”客寄せパンダ“でも構わない」と言い切る。
バレーボールの2022-23年シーズンを締めくくる「黒鷲旗全日本選抜男女選手権」(5月1~6日、丸善インテック大阪)の会場で、元日本代表主将でパナソニックの清水邦広(36)が声を絞り出した。
スポーツ界で相次ぐ指導者による体罰・暴力問題。バレーでは今年に入り、2月に千葉県内の名門と呼ばれる高校の男子バレー部の顧問が、選手の顔にボールをぶつけたり髪をつかんで引きずったりするなどの暴行容疑で千葉県警に逮捕されたほか、3月には全国大会出場経験もある山梨県の私立高校監督が部員の頬を平手打ちしていたことから解任された。また、神奈川県の県立高校女子バレー部で顧問による体罰情報が明るみに。
さらに、4月12日には日本バレーボール協会(JVA)の日本代表などの強化を担当する男子強化委員が、監督を務める大学の男子バレー部員に体罰を行っていた疑いが表面化し、同日に辞任する出来事もあった。
「川合さんも言っておられましたが、バレーはミスが目立つ競技。最後にスパイクを決めたとしても、レシーバーのミスで終わってしまうのがバレーなのです」と、川合俊一日本バレーボール協会会長の記者会見での言葉を受けてバレーに体罰・暴力が起きやすい理由を説明した清水。
記者会見で川合会長は、「ミスを腹立たしいと思うから暴言を吐きやすくなる。指導者に人間力がなければ指導できない。人間力アップなど根本的な部分から徹底的に直していかなければならない」と嘆いたのだが、清水が指導者に求めたのは、意識の改革だ。
「外国人監督と一緒にやっていると感じるのが、長所を伸ばす指導です。ミスをしても『今のはよかったね』と、プレーのいいところをほめてくれるんです。日本の指導者も、長所を伸ばす指導をしてほしいですね。それをもっともっと、スタンダードに出来ていけば体罰や暴力は減っていくと思います」
清水が現状を憂うのは、バレーの普及に強い思いがあるからだ。
2007年に日本代表に初選出されて以来、2021年の東京五輪まで約15年間、エースとしてチームを牽引してきた清水の原点は、2008年の北京五輪だ。大学4年で五輪に初出場したが、チームは全敗。12年のロンドン、16年のリオデジャネイロ両五輪は出場も叶わず男子バレーは低迷した。
今でこそ、石川祐希や高橋藍が海外リーグで活躍し、海外を経験した柳田将洋や西田有志らが人気、実力両面で男子バレーを盛り上げているが、清水は低迷の責任を背負い続けてきた。
それだけに、バレー人気を高めることには貪欲に取り組む。
パナソニックパンサーズのチームのSNSで笑いを誘う演出にも積極的に参加。7月2日には吉本興業とコラボし「もじゃ吉田の新喜劇どうでしょう? inなんばグランド花月」withパナソニックパンサーズに、セッターの深津英臣、MB兒玉康成らと出演することが決まっている。
東京五輪を最後に、代表を〝引退〟したものの、現役は続行。人気、実力ともにあり第一線で活躍し続けているが、お笑いにまで〝進出〟するのは、バレーボールの魅力を知ってもらい、競技の普及につなげたい思いからだ。
「食卓で、プロ野球の試合が話題になるように、バレーの話も出るようなる」のが夢。そのため「バレーに関心を持ってもらえるなら、”客寄せパンダ“でも構わない」と言い切る。
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