6月4日、愛知県・名古屋市(日本ガイシホール)で開催中のバレーボール三大国際大会のひとつ、女子の『ネーションズリーグ(VNL)』で、予選ラウンド1週目第4戦が行なわれ、世界ランク7位の日本代表が同5位中国と対戦。セットカウント0-3(18-25、25-27、25-27)で敗れて4連勝はならず、日本開催の1週目を3勝1敗で終えた。
【PHOTO】バレーボールネーションズリーグ2023女子日本代表、悔しさ残る中国戦の厳選ショット!
3連勝中のチームが激突するこの対戦で日本は、アジア女王から白星を奪い世界ランクの順位を上げたいところ。過去の通算対戦成績では大きく負け越しているが、昨年の大会では、3-1で勝利を収めた。
中国は、昨年の代表シーズンと同様の布陣。日本の先発はこれまでの3戦と同じく、アウトサイドヒッターは主将の古賀紗理那、林琴奈、井上愛里沙、司令塔に関菜々巳。ミドルブロッカーは好調な新戦力コンビ、入澤まいと荒木彩花、リベロに西村弥菜美を起用した。
第1セット、被ブロックやアタックミスが頻発した日本は、劣勢に立たされた後、入澤のエースや4選手が絡むシンクロ攻撃などで中盤に2点差まで詰め寄る。しかし、形勢を大きく変えるには至らずにセットを先取された。
井上に替えて田中瑞稀を起用し、スタートした第2セットは、西村の好守から林が2枚ブロックの間を抜いて先制点を奪う。中盤の入りから多彩な攻撃とエースで勢いをもたらした古賀が後衛に下がると、田中がブロックに続きレフトから2得点を挙げるなどしてリードを6点に広げる。ところが、その後に攻撃とレセプションでミスが続き接戦へ持ち込まれ、最終局面で逆転を許してセットを連取された。
第3セットは追いかける展開のまま中盤に突入。日本は目を見張る好守や田中に代わり開始からコートに立った和田由紀子の重い打球で猛反撃に転じ、逆転に成功する。だが、和田のレフト攻撃で2度にわたり握ったセットポイントを阻止された後、中国にたたみ掛けられて連勝は「3」でストップ。粘りを見せた日本だったが、母国開催の最終戦を今大会初の黒星で終えた。
古賀はチーム最多19得点(アタック16、ブロック1、エース2)、林が13得点(アタックのみ)。途中出場の和田が第3セットだけでアタックで9得点、田中も第2セットに4得点(アタック3、ブロック1)と、ミドル勢に続く新戦力が今後に向けて好材料を残した。
チーム全体では、ブロックで中国の9本に対し日本が5本に留まる一方、ミスは12本に対して18本に及んだ。エース5本を含む効果的なサーブで相手守備を崩すも、速い切り返しに加え、厳しいボールでも強打を打ち切り得点をもぎ取る中国の決定力に屈する形となった。試合後の世界ランクは日本が7位をキープ、中国は3位へ浮上した。
国際バレーボール連盟の配信サービス『Volleyball World TV』の解説を務めたルーカス・クレイトン氏とビクトリア・デニース氏は、試合開始前から日本の守備力を高く評価。中国の強烈な打球を上半身を後方へ反らせて上げた荒木の渾身のディグに、「(映画の)マトリックスも顔負けの動き」と感嘆の声を上げた。また、今大会で代表デビューの和田がクールな表情で繰り出す豪快なアタックへ、「ビッグスウィング!」「勇猛果敢」「ファンタスティック」と賛辞を贈っていた。
第2週目はブラジル・ブラジリアへ移動して、日本時間6月14日からスタート。火の鳥NIPPONは、世界ランク5位のセルビア、26位韓国、12位ドイツ、2位米国(対戦順)との連戦に臨む。
取材・文●佳子S.バディアーリ
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3連勝中のチームが激突するこの対戦で日本は、アジア女王から白星を奪い世界ランクの順位を上げたいところ。過去の通算対戦成績では大きく負け越しているが、昨年の大会では、3-1で勝利を収めた。
中国は、昨年の代表シーズンと同様の布陣。日本の先発はこれまでの3戦と同じく、アウトサイドヒッターは主将の古賀紗理那、林琴奈、井上愛里沙、司令塔に関菜々巳。ミドルブロッカーは好調な新戦力コンビ、入澤まいと荒木彩花、リベロに西村弥菜美を起用した。
第1セット、被ブロックやアタックミスが頻発した日本は、劣勢に立たされた後、入澤のエースや4選手が絡むシンクロ攻撃などで中盤に2点差まで詰め寄る。しかし、形勢を大きく変えるには至らずにセットを先取された。
井上に替えて田中瑞稀を起用し、スタートした第2セットは、西村の好守から林が2枚ブロックの間を抜いて先制点を奪う。中盤の入りから多彩な攻撃とエースで勢いをもたらした古賀が後衛に下がると、田中がブロックに続きレフトから2得点を挙げるなどしてリードを6点に広げる。ところが、その後に攻撃とレセプションでミスが続き接戦へ持ち込まれ、最終局面で逆転を許してセットを連取された。
第3セットは追いかける展開のまま中盤に突入。日本は目を見張る好守や田中に代わり開始からコートに立った和田由紀子の重い打球で猛反撃に転じ、逆転に成功する。だが、和田のレフト攻撃で2度にわたり握ったセットポイントを阻止された後、中国にたたみ掛けられて連勝は「3」でストップ。粘りを見せた日本だったが、母国開催の最終戦を今大会初の黒星で終えた。
古賀はチーム最多19得点(アタック16、ブロック1、エース2)、林が13得点(アタックのみ)。途中出場の和田が第3セットだけでアタックで9得点、田中も第2セットに4得点(アタック3、ブロック1)と、ミドル勢に続く新戦力が今後に向けて好材料を残した。
チーム全体では、ブロックで中国の9本に対し日本が5本に留まる一方、ミスは12本に対して18本に及んだ。エース5本を含む効果的なサーブで相手守備を崩すも、速い切り返しに加え、厳しいボールでも強打を打ち切り得点をもぎ取る中国の決定力に屈する形となった。試合後の世界ランクは日本が7位をキープ、中国は3位へ浮上した。
国際バレーボール連盟の配信サービス『Volleyball World TV』の解説を務めたルーカス・クレイトン氏とビクトリア・デニース氏は、試合開始前から日本の守備力を高く評価。中国の強烈な打球を上半身を後方へ反らせて上げた荒木の渾身のディグに、「(映画の)マトリックスも顔負けの動き」と感嘆の声を上げた。また、今大会で代表デビューの和田がクールな表情で繰り出す豪快なアタックへ、「ビッグスウィング!」「勇猛果敢」「ファンタスティック」と賛辞を贈っていた。
第2週目はブラジル・ブラジリアへ移動して、日本時間6月14日からスタート。火の鳥NIPPONは、世界ランク5位のセルビア、26位韓国、12位ドイツ、2位米国(対戦順)との連戦に臨む。
取材・文●佳子S.バディアーリ
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