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「バカバカしい」角田裕毅、5秒ペナルティーでのポイント圏内脱落に不満を隠さず…海外メディアは「少々厳しい」「異議は唱えられない」と見解

THE DIGEST編集部

2023.06.06

角田は9番手でチェッカーを受けたものの、ペナルティーによってポイントを獲得できなかった。(C) Getty Images

 F1第8戦のスペイン・グランプリは6月4日に決勝が行なわれ、アルファタウリの角田裕毅は9番手でチェッカーフラッグを受けたものの、ペナルティーによって12位に順位を下げる結果となっている。

 15番グリッドでスタートし、オープニングラップで12番手に浮上して以降も順位を上げ続けた角田は、9番手で終盤戦に入り、前方のエステバン・オコン(アルピーヌ)を追っていたが、逆に背後からはジョウ・グァンユ(アルファロメオロメオ)に迫られる。そして、56周目のターン1でアウトからオーバーテイクを仕掛けられ、角田がこれに対してディフェンスを見せると、ジョウはコースを外れてしまった。
 

 正常なバトルであるかに見えたが、この件は審議対象となり、間もなく角田には5秒のタイムペナルティーが科せられることとなり、角田が9番目にチェッカーフラッグを受けたものの、先週のモナコGP同様、またしても掴みかけたポイントを不運な形で失う結果となった。

 レース後、角田はチームの公式サイトを通して、「最高にガッカリしており、悔しさを感じています。他のドライバーをコースから追い出したことで与えられたというペナルティーは非常に厳しかったと思いますが、それは受け入れなければなりません。スペースはあまりありませんでしたが、それでも十分だと思いました」とジョウとの件に言及した後、レースについても以下のように振り返っている。

「良い面としては、我々が抱えていたブレーキの問題を、チームが改善するという素晴らしい仕事をしてくれたこと、そしてこの2つのレースウィークに僕をポイント争いに参加させてくれたことです。それは、車が改善され、努力が報われていることを示しています。この週末は終わったので、今はカナダでの次のレースに目を向けています」

 気持ちを切り替えようとしている日本人ドライバーについて、アルファタウリのマシン・パフォーマンス責任者であるギョーム・ドゥゾトゥーは「ユウキは素晴らしいドライビングを見せた。ほとんどの時間でオコンと競り合うことができ、レースペースについて我々を勇気づけた。残念ながら、ジョウに対してのディフェンスで、十分なスペースがなかったとして5秒追加のペナルティーを受けてしまい、12番手で終わった」と語った。

今回の一件については、多くの海外メディアも注目しているが、フランスのモータースポーツ専門サイト『Motorsport NEXTGEN-AUTO.com』は、「レースでは再び好調だった角田にとっての大きな失望」と報じ、彼が「毎週で全力を尽くした後でのペナルティーは、非常に厳しく感じます。個人的には、(ジョウが通れる)スペースはあったと思います。相手の車は突然、隙間に入って来ておいて、『押し出された』と主張していますが、個人的な見解では、スペースはありました」と訴えたことを報じている。

 また、英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』も、角田が『F1TV』に語った「ジョウは(バトル中の)早い段階ですぐに諦め、コース外に飛び出して押し出されたふりをしたように思えます。アウトには間違いなく、まだスペースがありました。もちろん、僕はプレッシャーをかけましたが、まだスペースはありました。なぜペナルティーを受けたのか理解できませんが、本当に不公平で非常に厳しいと感じました」「(ペナルティー判定は)バカバカしい」とのコメントを紹介した。

 同メディアによれば、角田はさらに「本当にガッカリしたのと同時に、チームがペナルティーを科されないために反論したのかどうかにも興味がありました。何の議論もなしにペナルティーを決めたFIAとは、少しでも話し合うことが必要です」とも主張しているが、これに対してジョウの言い分は以下の通りである。
 
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「角田は素晴らしく力強いレースを見せていたが…」