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「本当に許せない!」環境活動家の身勝手な妨害に海外記者が憤怒!警備体制に疑問の声「なぜ事前に排除できなかった?」【陸上DL】

THE DIGEST編集部

2023.07.05

DLに出場したワーホルムは環境活動家の妨害行動を批判。レースを台無しにされたことに怒りのコメントを残した。(C)Getty Images

 陸上競技で最も華やかな瞬間といえるゴールの寸前で起きた愚行に、多くの非難が噴出している。

 現地7月2日、陸上の最高峰大会「ダイヤモンドリーグ(DL)」第7戦ストックホルム大会で、環境活動家がレース中のトラックに侵入し、抗議活動を繰り広げたのだ。

 事件が起きたのは、男子400メートル障害。3人の女性がいきなり乱入し、ゴールから10メートルほど手前に『泥炭採掘禁止』と書かれた横断幕を掲げた。警備員が止める間もないほどの素早い行動だった。

 当然ながら、何も知らない選手たちはゴールに向かってくる。東京五輪金メダルの世界記録保持者、カールステン・ワーホルム(ノルウェー)は一番外側を走っていたため、妨害行為の影響を受けずにトップでフィニッシュしたが、進路を邪魔された一部の選手はスピードを緩めたり、レーンを変更するなど、支障が出てしまい順位が変わった。

 レース後、1位のワーホルムは母国のテレビインタビューで、「このやり方は酷い。どんな理由があれ間違っている」と断言。レースを台無しにされ、怒り心頭に発した様子で、「いいレースをするために来た選手、ここにいる人たちに失礼だ」と環境活動家らの無責任な行動を猛批判。同大会の男子円盤投に出場していた東京五輪金メダリストのダニエル・スタール(スウェーデン)も「競技中に妨害行為することはありえない」と憤慨している。
 
 五輪メダリストなど、多くのトップ選手が参戦した大会で起きた愚行に、海外記者らも憤怒している。 

 米スポーツサイト『Sports Illustrated』の元記者で、陸上競技専門メディア『CITIUS MAG』のクリス・チャベス氏は「DLの男子400メートル障害で、デモ隊がトラックに飛び込んで来た。47秒57で優勝したカールステン・ワーホルムは8レーンだったため、完全に避けることができた」と目の前で起こった状況を説明したうえで、「これは本当に許せないことだ」とレーンに飛び出した環境活動家3人の蛮行を断じた。

 英国の月刊陸上競技雑誌『Athletics Weekly』に寄稿しているスポーツジャーナリストのティム・アダムス氏は自身のツイッターに「抗議者たちは、カールステン・ワーホルムを混乱させたかったのなら、下調べをしていたはず。彼らはそれをしなかった」と最初から抗議活動がメインだったと指摘。文面の最後に、「なぜ事前に排除できなかったのだろうか?」と綴り、会場の警備体制や持ち物検査などのセキュリティがなかったことに疑問を呈した。

 環境活動家の行為は、手に汗握る展開に完全に水を差した。大会ディレクターのヤン・コヴァルスキ氏は、「妨害されたことは、とても残念に思う。競技場全体をフェンスで囲むことはできないが、迅速に対応しないといけない」とコメントし、今後の対応策を誓った。身勝手な問題行動の波紋は、まだ収まる気配がなさそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】危なすぎる!環境活動家が陸上レースで抗議活動する様子

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